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『ヤマメ』長野県松本市/薄川産~日本全国☆釣り行脚

『ヤマメ』長野県松本市/薄川産~日本全国☆釣り行脚 
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

暑~いっ! 暑い暑い暑い!! いくら夏とはいえ、ここまで暑いとオッサンにはこたえるもので、こんな時にはなるべく暑さを避けて竿を出したいものです。

それにしても、ここ数年、夏になると気象情報から聞こえてくるのは、最高気温37度だとか38度だとか…ちょっと異常な気もします。単に年を取ったから暑さに弱くなったのか、はたまた、気候が変わって昔よりも異常に暑くなったのか、いずれにせよこの時期の日中の釣りは酷暑との戦いです。

そこで、こんな時期に心惹かれるエリアの1つが高原です。そうよ、高原よ高原。夏は高原よ。避暑地といえば、軽井沢やファンシーな清里みたいな高原じゃないの。いや、清里は現在どうなっているかアレですけど、まあいいや。

ということでやってきたのは長野県は松本市。松本は町自体の標高が約600メートル、周囲は3000メートル級の山々に囲まれているため夏でも湿度が低く、朝晩は涼しくなり非常に過ごしやすい気候なんですな。

早朝の朝露に潤う渓谷を…とはいかず、例によって、起きたのは陽が高くなってから。寝坊しました。でもいいんです。高地らしいカラッとした陽気なので暑さもそれほど苦になりません。加えてアルプスの玄関口でもある松本は、市街地からほど近い所にいくつもの清流が流れているので、遅い時間でも釣り場には事欠きません。道中で犀川漁協の入漁券を買い求め、20分ほどで今回の釣り場となる薄川に到着です。

市街地から近いお手軽渓流釣り

この連載を長くお読みいただいている方であればご存じかと思いますが、山を登ったり、深山幽谷に分け入ったりするような根性も技術も持ち合わせていないワタクシ、渓流釣りといっても足場のよい場所限定です。安物竿に簡単な仕掛けを結び、エサのミミズをハリに付けたら足場のよい護岸で竿を出します。透き通った流れは見ているだけで気持ちよく、せせらぎの影響からか暑さもそれほど厳しくはありません。

『ヤマメ』長野県松本市/薄川産~日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

市街地から近くて足場もよいということで多くの釣り人が訪れるのでしょうか、めぼしいポイントを探りながら釣り上がるものの、アタリは全くありません。でも、いいんです。時折、清流に足を浸して涼んだり、青々とした山々に囲まれた景観のなかで竿を出すだけで気持ちは癒やされるのですから。よほどの穴場でない限りは、わりとシビアな側面のある渓流釣り、ましてやこんなお手軽かつ腕のないワタクシなので、釣れなくても清々しい環境を楽しむ、といった心持ちで臨んでおりますです、ハイ。

さて、山の日暮れは早いもので、そろそろ竿を仕舞おうかというところで〝いかにもよさげな〟堰堤が見えました。「せっかくだし、ここを探って終わりにしよう」と静かに護岸に立ち、ソッと仕掛けを流し込むと、グリグリッ! と本日初めてのアタリ到来です。

せせらぎの余韻に浸りつつ一杯♪

反射的に手首を返すと小気味よい手応えで釣れたのは17センチほどのヤマメです。釣れなくてもいいんです、な~んて言いながらも1日竿を振って釣れた1尾は本当に嬉しいものです。

『ヤマメ』長野県松本市/薄川産~日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

こうなると俗物な一面が顔を覗かせるもので、ちょっと欲張って、もう1投。すると、またしてもグリグリッ! でヤマメを追釣。こんなこともあるんですねぇ…。もうこれにて十分満足したことで竿を納めます。川を下り、汗もかいたことですし町中にある〝塩井乃湯〟でサッパリしてから帰路に就くことにしました。

『ヤマメ』長野県松本市/薄川産~日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

 

帰宅後はヤマメの甘露煮で一杯です。ヤマメは定番の塩焼きもおいしいですが、これくらいの大きさであれば甘露煮もまた旨いもの。骨が柔らかいので、頭からいけます。冷酒をチビリとやりながらつまむ甘露煮は山里の肴といったところで、せせらぎの情景が思い浮かびます。決してよい釣果ではありませんでしたが、涼しい清流をたっぷり満喫できて満足。爽やかな1日を過ごすことができました。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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