昨年から依然として世界的大流行を続ける新型コロナウイルス。ワクチンの普及によって、その勢力は徐々に衰えているように思われるが、それと相反して、「新型コロナ人工ウイルス説」が勢いを盛り返してきた。
パンデミック当初から、新型コロナは中国・武漢ウイルス研究所を起源とする人工ウイルス説がまことしやかにささやかれていたが、さまざまな研究者が「新型コロナは自然由来のウイルスである」という論文を発表し、世界保健機関(WHO)の現地調査でも決定的な証拠は見つからず、この説は立ち消えになるかと思われた。しかし、今年に入り、人工ウイルス説を唱える研究者が再び増加してきたのだ。
たとえば、米ウイルス学会の権威ジェッシー・ブルーム、デービッド・レルマン両氏を含む研究者18人が、5月13日付の科学誌『サイエンス』に「武漢ウイルス研究所の徹底した再調査を望む」という書簡を発表した。これは、以前より中国寄りと噂されるWHOの調査に対する批判でもある。
研究員3人がかかった謎の感染症
また、5月28日には、英『デイリー・メール電子版』にセント・ジョージ大学アンガス・ダルグライシュ教授と、ノルウェーの製薬会社イミュノール社の会長で生物学者でもあるビルゲール・ソレンセン博士の2人による論文が掲載され、きちんとした科学的根拠に基づき、「中国が新型コロナをつくった」と結論づけた。
さらに、ノーベル生理学・医学賞の受賞者でフランス人のリュック・モンタニエ教授も「新型コロナウイルスは武漢の研究所でつくられた人為的なものだ」と発言して物議をかもしたほか、極めつけは、米トランプ前政権で国務長官の特別顧問として、新型コロナの調査をしていたデビッド・アッシャー氏の報告書である。
それによると、新型コロナウイルスが流行する以前の2019年11月、武漢ウイルス研究所の研究員3人が、新型コロナの症状に酷似した謎の感染症にかかっていたというのだ。
アッシャー氏はこの事実を踏まえ、「武漢ウイルス研究所では生物兵器を開発しており、その過程で新型コロナウイルスが外部へ漏れた」と断定したのである。
新型コロナ“人工ウイルス”説②に続く
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