日本最古の物語とされる『竹取物語』の「かぐや姫」が主人公である本作。光る竹の中から現れたかぐや姫が、おじいさんとおばあさんの下で美しく成長するも、月の都から来た使者に連れ戻されてしまう話だ。
一見すると、哀れなかぐや姫の切ない話のようだが、実は違う。
月の都の使者が、こう語るシーンがある。
「姫の罪の償いの期間が終わったので、こうして迎えに来た」
かぐや姫は、なんと罪人だったのだ。それも、大量殺人のような凶悪犯罪で、その刑罰として島流し的な意味合いで地球に流されたのだ。
なぜ死刑にならず、島流しで済まされているのかというと、かぐや姫が月に帰る間際に、おじいさんに渡した薬の壺にヒントがある。
それは、不老不死の薬であった。つまり、その薬があるということは、月の者も死ぬことが分かる。かぐや姫がその薬を使っていれば、死なないというわけだ。
そんな恐ろしい裏設定を知ってしまうと、かぐや姫の笑顔が急に怖く見えてくる…。
恩を返した鶴の悲惨な末路
人間の心理をリアルに描いている昔話といえば、この『鶴の恩返し』が有名だろう。
薪売りのおじいさんに助けられた鶴が、美しい娘の姿でおじいさんの家を訪ね、恩返しとして布を織る。布を織っている間は部屋をのぞかないように忠告していたが、おじいさんたちは気になって部屋をのぞいてしまう。そこには、自分の羽を抜いて布を織る鶴がいて、おじいさんたちに正体を知られてしまうという話だ。
この話は、正体を知られた鶴が空へ飛び去っていくところで終わるのだが、実は続きが存在する。
地方によって結末が異なるのだが、大阪で語り継がれている話は怖い。というのも、鶴は羽を抜きすぎたせいで遠くまで飛べず、道頓堀の近くに落下してしまう。そして、捕まえた人が焼き鳥にして食べてしまったのだ。
『鶴の恩返し』という昔話は、「約束を守ることの大切さ」と、「知らないほうがいいこともある」という教訓になっている。
鶴の末路も、知らないほうが良かったかもしれない…。
本当は怖い昔話③に続く
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