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JRA重賞『エルムS』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

JRA重賞『エルムS』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想! 
(C)JRA

先週のクイーンSは、わが軸馬マジックキャッスルは2着となり、ルメール御大が満を持して乗ってきたテルツェットが勝利した。

馬連は一応本線。ただこの630円だけでは歓べないが、3着に大野騎乗の8番人気サトノセシルが突っ込んで来て、3連複3910円をつける好配当。これで堂々たるプラス決算となり、〝映画馬券〟で取り上げた映画題名『セシルの歓び』の字面そのもの、僕としては〝テツジの歓び〟(何じゃそれ?)、よっしゃ!であった。

と同時に反省もしなくちゃいけない。先週の文中で「1番人気馬に1、2枠をからめりゃだいたい取れる…」と、〝ざっくりし過ぎた〟予想をして、読者を惑わせたことだ。1枠のクラヴァシュドールは少し惜しかったけどね(5着)。データに溺れ過ぎず、今後とも予想は真面目に取り組みますので、どうぞお見捨てなきよう。

それにしても〝夏休み明け〟のルメール御大は、テッポウ駆けするなあ。テン乗りも走るしね。「彼女(テルツェット)ハ成長シテル。秋ガ楽シミ』と流暢な日本語で語っていた。個人的には、川田や松山や福永にリーディングを取ってほしいのだが、ルメール御大の牙城は当分堅いのか。2位につけている川田に20勝前後の差を付け、独走状態なのだから仕方がない。時々行う〝ルメール蹴り〟は慎重に(函館記念のカフェファラオみたいに自信を持って消せる例は、1年で、そう多くはない)、と肝に銘じた次第だ。

さて、五輪は閉幕に近づいても、コロナが収束からまた遠ざかっても、競馬は続く。緊急事態宣言下でも平然と(?)〝現金競馬〟を売って下さるJRAサマに改めて感謝致します。我々、アナログ馬券派のささやかな楽しみを奪わねえで下せえやし、と卑屈になってお願いしたりして。今週の日曜は函館、新潟で各々ダート重賞があるが、JRAで唯一のダート1700メートル重賞であるエルムSを、その貴重さからチョイス、と値打ちを付けて言っているが、本音は、クイーンSを馬連3連複とも当てたことだし、縁起が良いので今週も函館にしよう、と決めただけの話。根が単純だからね。

レース名で思い出す『エルム街の悪夢』

先々週のアイビスSD、先週のクイーンSほどではないが、このエルムSもまた1番人気は堅実の部類(この10年で馬券対象7回!)、特にマリーンS組好走馬は、かなり信頼が置ける。まず1番人気は③アメリカンシードか、⑦ソリストサンダーか。鞍上は各々名手ルメール&戸崎。先週のクイーンSの再現か。マリーンS組では、1着のスワーヴアラミスは敢えて消して、2着⑬オメガレインボーをチョイス。あとは前走は案外だったが、実績上位の⑤タイムフライヤー。さらに、ロード2頭⑪⑫も少々気になる。

〝映画馬券〟は、タイトルのエルムSから『エルム街の悪夢』(84年)を無理なく思い出してしまう。〝13金〟のジェイソンと並ぶ殺人鬼キャラのフレディが、悪夢の中で美女を恐怖に陥れる、という設定で大ヒットしてシリーズ化、〝13金〟と数を競うほど作られた。ということで、納涼ホラー・スリラー気分を連想させる馬をピックアップ。まずアメリカンシードから『デモン・シード』(77年)を。ジュリー・クリスティー主演で、バイオ・コンピューターに支配される未来を描いたSFスリラーだった。このコンピューターが意外とエッチなのが笑える。あとはロードブレス、ロードゴラッソから『ロード・キラー』(01年)を。旅する若者3人組を襲う謎の大型トラックの恐怖を描く〝激突!〟タイプのアクション・ホラーで、どちらも拾い物の面白さがありますぞ。

買い目は…馬連&3連複で③⑤⑦⑪⑬のボックス、馬連③⑫、⑦⑫、⑫⑬、3連複③⑦⑫、⑦⑫⑬、③⑫⑬も。以上馬連13点、3連複13点。冷やし中華を食べる気分で(?)、サラッと勝負したい!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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