コロナ禍で苦境に立たされているアパレル業界。中でもリモートワークの普及や外出自粛を余儀なくされたことで、ビジネススーツの売れ行きがさっぱりだ。
欧米では数カ月の間に、メンズ・ウェアハウスやブルックス・ブラザーズ、テイラード・ブランズ、TMルーウィンなど、ビジネスウエアを得意とする複数のアパレル小売チェーンが、店舗閉鎖や経営破綻に追い込まれた。
また、メリノウール生産量で世界首位のオーストラリアでは、ウール価格が急落し、数十年ぶりの低水準に沈んだ。この悪い流れは、日本にも徐々に波及し始めている。
“コロナ禍”で崩壊した都心店舗の売り上げプラン
「冬になればコートが売れるといった、これまで業界が当然と考えてきたビジネスプランが、コロナ禍で崩壊してしまった。特に『渋谷スクランブルスクエア』『コレド日本橋』『丸の内ビルディング』『六本木ヒルズ』などに入っている、都心店舗の売り上げが非常に厳しい。それは〝人々が憧れの場所に足を運ぶ〟という、従来の行動様式がなくなったからです」(アパレル誌記者)
ビジネスウエアの王者たるスーツは、コロナ禍を生き残れるか。
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