社会

東京五輪後の“悪夢”に備え続々と大企業が中小企業に衣替え

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コロナ禍で無理やり開催された東京五輪は大幅な赤字となることが確実。今後、都民をはじめとする国民の血税があてがわれ、税率のさらなる上昇なども予想されている。

そんな中、税負担の軽減を図るため、資本金を「減資」する企業が続出している。資本金の額は、企業規模の基準として捉えられており、資本金の大きい大企業であれば社会的信用も高い。では、なぜ減資が頻発しているのだろうか。

「資本金が1億円以下になると、税制上で中小企業扱いとなって税率が下がる。この仕組みをうまく突いた動きです。最近では『毎日新聞社』や『JTB』をはじめ、かっぱ寿司を運営する『カッパ・クリエイト』や賃貸管理大手の『レオパレス21』などが、資本金1億円以下へ減資しました」(経済ジャーナリスト)

日本経済全体がスケールダウンしている証し

現在はコロナ禍による変革期で、企業に対する信用の捉え方も多様化している。

「過去の実績よりも将来的な展開を大きな要素として捉えるため、資本金の重要度が薄れてきています」(信用調査会社の社員)

しかし、大企業という看板を捨てて税率ダウンを望む、つまり、見栄よりも実益を取る企業が増えていることは、日本経済全体がスケールダウンしている証しとも言える。

「明治維新は、食いぶちを失った武士が従来のプライドを捨て、さまざまな職に転じていった時代の節目として記憶されています。経済大国の象徴である大企業が減資に走ると、東京五輪が日本経済にとっての〝負の遺産〟となり、後世に記憶される可能性もありますよ」(前出の経済ジャーナリスト)

現状の制度では今後も減資を実施する企業が増えるとみられるが、特に大企業には自重した動きをしていただきたいものだ。

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