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リハビリには旬がある~『痛みの悩み相談室』(監修/井尻慎一郎先生)

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リハビリテーション(リハビリ)は、障害の生じた機能を回復するだけでなく、精神的にも、元の状態に戻す目的があります。つまり単に動けるようにするだけでなく、自信も取り戻すという奥の深い世界なのです。

リハビリには適切な日本語訳がないのですが、私は「元の元気な身体と心に戻す」と訳しています。ところが、整形外科の外傷や病気の治療中にリハビリをきちんと行わない患者さんがいます。薬や手術で病気が治っても、その後のリハビリが大事です。

病気の種類や患者さんの状態により異なるので一概には言えませんが、リハビリの1つである運動療法は、安静期間を経て適切な時期に開始し、徐々にペースを増やしていく必要があります。

したら良くなると前向きに考えて

骨折してから半年以上経過して骨折は癒合しているのに、骨折部が痛くて日常生活に支障をきたして来院される方がおられますが、この原因としてリハビリが上手にできていないことが多々あります。リハビリは、しなければならないと考えずに、したら良くなると前向きに頑張りましょう。また、リハビリの開始が遅いと関節や筋肉が拘縮し動かなくなることもあります。

リハビリには旬があります。リハビリをするように医師に言われたら、1年後にするのではなく、すぐに行ってください。

私が研修医の頃に、当時の指導医から手術をしたがる若い私に「手術半分、リハビリ半分」と教わったことを、今でも深く心に刻んで診療をしています。

監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp

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