韓国の文在寅政権の「親北従中」ぶりは常軌を逸している。9月23日、文氏が国連総会の一般討論演説で「韓米同盟の破棄」を示唆したときは、激怒した米政府が「最後通牒」を発するという国際問題にまで発展した。
「現在、韓国軍の主敵は、北朝鮮ではなく周辺国にすり替わっています。もちろん周辺国ですから、北朝鮮を含めていると言い逃れの余地は残しているものの、主敵が代わったのは明らか。一昨年の12月20日、日本海で偵察任務に就いていた海上自衛隊の哨戒機が、突然、韓国海軍の駆逐艦から攻撃用レーダー照射を受けた事件を見ても、今や韓国の主敵は確実に日本です」(国際ジャーナリスト)
韓国は8月10日に2021~2025年の国防中期計画を発表したが、計画通りに進めば今後5年間で、韓国の国防予算はGDP(国内総生産)が3倍強の日本を追い越す。
「韓国が急ピッチで軍拡を進める理由は、朝鮮半島で有事が起きた際、米韓連合軍(2万8500人の在韓米軍と60万人を超える韓国軍)を指揮する『戦時作戦統制権』を米国から取り戻したいからです」(軍事アナリスト)
現況の米韓連合軍司令部は、米軍が司令官を任命し、韓国軍が副司令官を任命している。しかし、民族主義者の文氏はこの屈辱に耐えられないのだ。
「確かに米韓両軍の間で統制権返還の話は浮上していますが、米軍が駐留国の軍から作戦指揮を受けた事例はありません。米軍は返還の条件として韓国軍の『核心的軍事能力』を挙げているので、文政権は国防中期計画で意思表明したように、ひたすら軍拡へと突き進んでいるわけです」(同)
とことん北朝鮮に追従する韓国・文在寅大統領
しかし、装備の多くは米国から購入するので、大票田の軍需産業を取り込みたいトランプ大統領に、韓国が踊らされているという見方もある。
「エサをぶら下げて米国製の武器を買わせ、統制権の返還はズルズルと先延ばしにするのが、トランプ氏のやり方です。民主党候補のバイデン氏が新大統領になっても、土壇場で統制権を渡さず、韓国に鉄槌を下すことになるでしょう」(同)
もし米国が、経済的、心情的に北朝鮮と近い文氏に、在韓米軍将兵の生命を委ねてしまったら、後ろから撃たれるかもしれない。そんな自殺行為を米国が認めるわけがない。
それにしても、ここまで北朝鮮におもねる文氏の姿勢は、どう見ても異様だ。韓国統一部(省に相当)傘下の統一教育院は近々、「南北共同連絡事務所の爆破など北朝鮮による敵対行為は、韓米合同演習が原因」との主張を盛り込んだ報告書を教育素材として出版する。韓国国民の血税で造られた連絡事務所の爆破は、韓国が悪いからだという自虐説である。
とはいえ、北朝鮮は相変わらず韓国を信用していない。保守政権に代われば、文氏も「監獄」送りとみているからだ。
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