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蝶野正洋『黒の履歴書』~瀬戸大也とアスリートの復帰問題

蝶野正洋
蝶野正洋 (C)週刊実話Web

競泳の瀬戸大也選手が、不倫問題が明るみとなって世間からバッシングを受けている。所属先だったANAとは契約解除となり、日本水泳連盟からも年内活動停止の処分が下された。

俺は他人の不倫について、とやかく言おうとは思わないし、この処分が妥当なのかどうかも分からない。

ただ、瀬戸選手はアマチュアという立場だけど、金銭面ではCMの契約金、スポンサーからの協賛金、それに協会からの助成金なんかが集まっていて、プロ以上に稼いでいたことに、いい意味で驚いた。

スポーツ選手として稼げるのはプロ野球がダントツだけど、アマチュアでもこれくらい稼げることが分かれば、他の選手にも刺激になるんじゃないかな。

日本では、大半のアマチュア選手は資金的に苦しいなかで頑張っている。俺の先輩である長州(力)さんやタイガー服部さんはアマレスで活躍していたんだけど、海外遠征に行くときも協会から金なんて出ないから、自分たちがバイトして渡航費を稼いでいたらしい。いまは環境がよくなってると思うけど、金銭的な問題で競技を引退する人も多い。

そこにはオリンピックでメダルを取れる可能性がある選手もたくさんいるわけだから、お金が原因で引退するのはもったいないよ。それが、世界大会に行ったら強化費が出る、さらに、トップを取ったらボーナスが出ると分かれば、もっと頑張れる場合も多いはずだ。

「スポーツ=お金」という露骨な考え方を日本人は嫌がるけど、俺は逆に隠さないで、アマチュアでも稼げることを公開していったほうがいいと思う。

そういう意味で瀬戸選手は、アマチュアスポーツ界で目標となれる選手だった。今回、不倫というスキャンダルでバッシングを受けているが、金メダルでも取れば評価がひっくり返るだろうから、今後は復帰して活躍することを期待したい。

瀬戸君がプロレスにチャレンジするなら教えてやるぜ

復帰といえば、柔道の金メダリストで、準強姦罪で実刑判決を受けた内柴正人が、桜庭和志選手が主催している柔術の大会「QUINTET(クインテット)」に出場する。

内柴のような人物を大会に出せば、世間からはいろいろ批判が出ると思う。でも、プロモーターにしてみたら出すことで話題になるし、興行とはそういう世界であることは否定できない。

ただ、内柴にしてみたらこれはチャンスだとは思う。お客さんや関係者が見ている前で、いい試合をすれば評価が変わるし、人間的にも更正したことをアピールできる。

内柴に限らず、プロレスや格闘技の世界は、他のスポーツで問題を起こした選手の受け皿になることが多い。俺が現役バリバリだった頃には、角界から北尾光司、柔道から小川直也が新日本プロレスにやってきたけど、来る前から問題児だという噂は聞いてて、正直に言えば嫌だった。

ただ、実力があったとしてもダメなやつはそのうち消えていくし、頑張っているやつは残っていく。業界にはいい意味で光が当たるから、元々いた選手はそれを上手に利用すればいいだけ。

瀬戸君も競泳を続けるのが難しくなったら、プロレスで再チャレンジするのも一つの手。その時は、俺がいろいろ教えてやってもいいぜ。

蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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