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知られざるヤクザのお中元⑤危ない書類を全部食べてくれる“シュレッダーちゃん”

イラスト/ホセ・フランキー (C)週刊実話 無断転載禁止
イラスト/ホセ・フランキー (C)週刊実話 無断転載禁止

見栄を張るのがヤクザの世界。中元や歳暮といった盆暮の挨拶にかける額も桁違いだ。しかも、値が張るこだわりの逸品を、全国の親戚・友好団体に配るというのだから、組員たちの負担もハンパない。悲喜こもごものヤクザのお中元の品々をご覧あれ。

【ヤギ】

今回、取材した中で、一番若い衆が言葉を失ったのがヤギ。ご丁寧に、首にはリボン付きだったというが、もちろんペットとしてかわいがってもらう目的ではない。

「贈ってきた組の関係者がヤギ牧場を経営しているそうで、『一番おいしい時期だから、早めに潰して(絞めて)くれよ』なんて贈ってきまして。で、親分も『やれ』ってんで、ネット動画を調べて絞めようとしたんですが、そのヤギの顔を見るとかわいそうで、『すみません、できません』と親分に土下座しました。人間ならいくらでも殺せるのに不思議ですよね(笑)」(東北・40代)

ちなみにこのヤギ、今も元気。危ない書類を全部食べてくれるため、〝シュレッダーちゃん〟と名付けられ、組のマスコット代わりになっているそうだ。

宅配便はペットまで運んでくれるんだなぁ!

【犬】

前項のヤギは「食用」としてのお中元だったが、本当にペットが届いたケースもある。

「組長の兄弟分から、いきなり子犬が贈られてきて、首輪に〝御中元〟なんて書かれてるんだから驚きました。アメリカンピットブルだったんですが、業界内では有名な血筋の子が2頭産まれたので、(兄弟分で)1頭ずつ分けたそうで。犬好きの組長的にもサプライズだったはずなのに、『宅配便はペットまで運んでくれるんだなぁ!』なんて、別の部分で驚いてましたけどね(笑)」(九州・30代)

その〝お中元〟は、誰に似たのか40キロ超えの巨大な体に成長した上、組長以外の言うことをまったく聞かず、散歩係の若い衆は毎日引きずられているそうだ。

意外にも、ヤクザ業界には無類の犬好きが多い。

「若い衆や女と違って、犬は絶対に主人を裏切らない」という理由を聞くと、なんだか切ない。

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