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「肩こり」は日本人特有の症状?〜『痛みの悩み相談室』(監修/井尻慎一郎先生)

「肩こり」は日本人特有の症状〜『痛みの悩み相談室』(監修/井尻慎一郎先生) 
『痛みの悩み相談室』 (C)週刊実話Web

2019年の厚生労働省の国民生活の基礎調査によれば、身体に症状がある有訴率で肩こりは女性で第1位(腰痛が第2位)、男性で第2位(腰痛が第1位)を占めています。日本人にとって肩こりは、生活する上で最も身近な症状です。

本コラムで今までも何回か肩こりに関して説明しましたが、肩こりはほとんどの場合、首や肩の僧帽筋などの筋肉の疲れが原因です。パソコンやスマホなどで長時間同じ姿勢を続けると、体重の約10分の1もある重い頭を支え続けるために首筋や肩の筋肉が疲労しておもだるい、張った感じになります。中には首からの神経痛や心臓病、目や耳や歯の病気が潜む場合もありますが、そうでなければ単純に筋肉の疲労です。

1時間に1分の上半身を動かす体操を!

日本人はそれを「肩こり」という「病気」と思い込んでしまいがちなのです。私は以前カナダ人やオーストラリア人に肩こりをどう思う? と聞いたら、ナンセンスと笑い飛ばされました。

私自身も医学生時代に肩こりがひどかったのですが、医学書で肩こりが筋肉の疲労と知った途端に、それまでの肩こりが消えてしまいました。

日本は習慣として、おじぎをする、縦にうなずく、猫背が多いなどの違いが海外とあるだけでなく、何でもきっちりやり遂げようとする国民性によるストレスが多いことも、その要因です。少なくとも1時間に1分でもよいので仕事を止めて背伸びをし、そのまま左右前後に上半身を動かす体操をしてください。

監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp

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