去る7月4日、福岡市西区の元酒屋だった住宅の冷蔵ケースから、高齢夫婦の遺体が見つかった事件で、福岡県警は同居していた次男の無職、松本淳二容疑者(59)を死体遺棄の疑いで逮捕した。同容疑者は6月23日の夕方から姿を消していた。
「松本容疑者は博多駅から、電車で山口に移動。そこから東北の岩手へ逃走し、秋田、山形、静岡と南下して、最後は京都市内のホテルで捕まりました。総移動距離は2300キロで、主に在来線を利用していたとみられます。各地を転々とした理由について『費用は両親のキャッシュカードを使い、とりあえず現実逃避したかった』と供述したようです」(全国紙社会部記者)
6月29日、この家に住む松本博和さん(88)、満喜枝さん(87)夫婦の安否確認を求める通報が親族から寄せられ、警察官が家の中を捜索したところ、異臭を発する業務用の冷蔵ケースを発見。その中から2人の遺体が見つかった。
面倒を見るのに疲れ果て…
「遺体は仰向けの状態で、上下に重ねられるように置かれていました。21日には死亡していたとみられ、腐敗がひどく司法解剖でも死因は特定できませんでした。冷蔵ケースに貼られたガムテープから松本容疑者の指紋が検出されており、死体遺棄に続き殺害も自供しています」(捜査関係者)
近所に住む知人は、こう語っている。
「松本容疑者は昔から人間関係が苦手で、仕事も長く続かず、最近は車椅子の母親の面倒を見る傍ら、高齢の父親の介護をしていました。生活は両親の年金でまかなっていたようです」
取り調べに「親の面倒を見るのに疲れ、ストレスが溜まっていた」と話しているという松本容疑者。事件の背景には、中高年の引きこもり問題があるようだ。
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