菅政権のコロナ対策迷走に東京都民は先の都議選でノーを突き付けた。東京五輪開催直前の7月12日から首都東京に四度目の緊急事態宣言が出され、菅政権の五輪起爆剤のシナリオも崩壊した。
自民党内からは「もはや総選挙で菅義偉首相では勝てない」論が強まりつつあり、こんな声が囁かれ始めている。
「菅おろし決行は五輪閉幕、かつ菅首相の地元・横浜市長選告示日の8月8日」
官邸キャップの解説。
「菅首相の自民党総裁再選のシナリオは、解散せず衆院議員の任期満了(10月21日)を受けての総選挙後が有力となりつつある。理由は、国民には任期ギリギリまでコロナ対策をしたと猛アピールできるからだ。9月末の自民党総裁選を総選挙後に延期すれば、菅おろしも封じ込め一石二鳥。さらに、総選挙で与党が過半数を維持できれば、二階俊博幹事長を味方につけ総裁選でも勝てると読んでいる。まさに〝一石三鳥〟です」
もちろん、これは菅首相の目論見であって、すんなり事が運ぶ保証はない。
「自民党内では選挙に弱い若手中心に不安が渦巻いている。というのも、菅政権下、選挙は4月の衆参3選挙3連敗、続けて山形、千葉、静岡の知事選と連戦連敗だ。都議会議員選挙では当初50議席という前評判が一転、33議席…自公で過半数に届かなかった。野田聖子幹事長代行が『菅政権になってから東京都議選も含め全部負けている』と露骨に批判したほど」(同)
第一生命経済研究所の試算によると、四度目の緊急事態宣言による経済損失は約1兆2000億円、五輪無観客は約6000億円の計1兆8000億円と弾いている。
“死に体”になる前に看板を替える必要が…
「五輪、コロナ不況が重なりワクチン対策もボロボロで国民の怒りは沸点に近い。看板を替えるしかないだろう」(自民党幹部)
東京五輪決定後(2013年9月)からインバウンド年間4000万人、経済効果32兆円と日本全国が沸きに沸いていたのは、ほんの1年半前。それが今や夢物語となり、都内では四度目の緊急事態宣言…。
「複数のシンクタンクは4万人から5万人の失業者が出るとしている。まさに庶民の生活は生き地獄状態に追い込まれつつある」(同)
また、ワクチン不足が影響し、若い人から壮年期の人たちの職域接種、自治体接種が次々と延期や中止に追い込まれた。菅政権への不満はピークに達し、その反動が自民党へ向けられているのは間違いない。
「国民の不満は秋になっても、すぐには解消されないでしょう。だから自民党が死に体になる前に看板を替える必要がある。そのタイミングは8月8日告示、8月22日投開票の横浜市長選。菅首相のお膝元が発火点となる」(同)
横浜市の自民党関係者が続ける。
「菅首相の選挙区で睨みが全く利かず、ガタガタだ。首相の推す候補が負ける可能性も出てきた。立候補を表明している1人は、過去に菅首相が秘書を務め政治の師と仰いだ小此木彦三郎元建設相の三男、小此木八郎衆院議員だ。彼は昨年の総裁選で菅陣営の選対本部長を務めた側近中の側近。その彼が五輪直前に警備の要である国家公安委員長を突然、辞した。しかも、菅首相が最も力を入れる横浜カジノ構想に反対を掲げたことで、自民党横浜市連は大混乱となったのです」
三原じゅん子厚労副大臣の名も取り沙汰されたが…
横浜市の自民党関係者はカジノ推進を掲げてきただけに、小此木氏の突然の翻意に一枚岩にまとまりきれていない。その情勢に菅首相サイドから「林では野党候補に勝てない」と判断され、一度は不出馬に傾きかけていた林文子市長が一転、再出馬の方向に動き出した。まさに横浜市長選は混迷を極めているのだ。
「立候補を断念したかと思えた林市長が再度出馬に傾きつつあるのは、小此木氏がカジノIR反対を唱えたことで推進派の有力候補がいなくなったことが大きい。何しろ関内、元町、中華街など商店街25団体は市の商業活性化にはカジノを含めた『横浜IR誘致』は不可欠としている。しかし、頼みの自民党は小此木氏が反対で、残る有力候補もオール反対派だ。林氏に代わり三原じゅん子厚労副大臣の名も取り沙汰されたが、極秘調査で林氏より人気がなかった。カジノ賛成派は、林市長しか選択肢がないとして再び担ぎ出そうとしているのです」(同)
横浜市長選が大注目されるのは、野党も総選挙前の一大決戦と位置づけており、有力候補が次々と名乗りを上げている点だ。例えば、カジノ反対で立憲民主党が担ぐ横浜市立大の山中竹春教授、田中康夫元長野県知事、元検事の郷原信郎弁護士などだ。
「最大の謎は、なぜ最側近の小此木氏が菅首相肝入りで進めてきたカジノIR反対で立候補したかだ。さまざまな見方はあるが、小此木氏が菅政権は間もなく終わりと見限り逃げたというのが最有力。市長選でカジノIR反対の小此木氏や野党候補が当選すれば、横浜カジノ構想はストップする。首相の求心力が一気に落ちるのは必至です」(横浜市在住の政治ライター)
菅おろしの号砲は「8・8」に鳴る。
あわせて読みたい
- [New] 小室眞子さん圭さん夫妻の“取材合戦”終止符?マスコミ各社が一気にトーンダウンしたワケ
- [New] 安倍晋三VS麻生太郎「全面戦争」の萌芽! 相容れない“岸と吉田”の遺伝子
- [New] 無免許当て逃げの木下富美子都議に「ゲッソリして出てくるかと思ったら全然痩せてなくて吹いた」
- [人気] 北朝鮮・金正恩総書記が妹・与正氏に服従!? 「恐怖政治」禅譲の最新情報!
- [人気] 温水が出ない! コロナの影響で「給湯器」「トイレ」の在庫が深刻ピンチ
- [話題] “微アル”がストロング系を駆逐!「安く酔える」から「酔わずに楽しく」へ
- [話題] 「葬儀社」と「警察」の癒着…札束が乱れ飛ぶ“遺体獲得戦争”の舞台裏