宿敵・原ジャイアンツの目の前での胴上げこそ阻止できたものの、阪神の喧騒はまったく収まる気配がない。どうやら、矢野燿大監督の進退問題にも発展しそうだ――。
「福留孝介に続き、投手陣の精神的支柱だった能見篤史も今季限りで退団することになりました」(在阪記者)
能見の戦力外通告が明るみに出たのは、10月22日。球団を介してだが、本人も「タイガースのユニホームを着て、皆さんの前でプレーするのは今季が最後」と説明。しかし、「タイガースの…」という言葉からは、現役への未練がヒシヒシと伝わってきた。
昨季の鳥谷敬(現ロッテ)同様、チームの功労者を他球団に流出させてしまうのは必至だ。福留も現役続行を希望しており、他にもベテランへの〝肩叩き〟が行われるという。
「〝聖域なきチーム改革〟が押し進められているとも解釈できますが、鳥谷を喪失したとき、残された選手、そして、ファンは激しく動揺しました。トラは、その悲劇を繰り返そうとしているようです。また、矢野監督も安泰とは言い切れないですよ」(球界関係者)
まさに〝阪急ショック〟だ。
矢野監督は3年契約の2年目。あるチーム関係者は「絶対とは言い切れないが多分、残留」と言っていたが、二度目のコロナ集団感染発覚以降、中日、DeNAとのゲーム差も縮まった今、「微妙」と、こちらも含みのある言い方に変わってきた。
“クビ”になった能見は矢野監督の腹心だったが…
「巨人に独走を許したのはマイナスでしかありません。とはいえ、セ・リーグは『1強5弱』だったので、矢野監督だけを責めることはできません。でも、進退については最終順位で判断するような流れになりつつある」(ベテラン記者)
今さらだが、阪神タイガースの親会社は阪急阪神ホールディングス(HD)だ。2005年に阪急と阪神が合体してスタートし、オリックスの前身であるブレーブスを手放した阪急側は、「タイガースのことはお任せ」というスタンスだった。
そのスタンスが崩れたのが、二度目の集団感染だ。「会食は4人まで」の内規違反も同時に発覚し、阪急の角和夫代表取締役会長が「真相究明、ケジメを!」と憤怒したという。
「揚塩健治球団代表の辞任で幕引きしたかったでしょうが…」(前出の球界関係者)
今回のベテランへの肩叩き、当の能見は矢野監督の腹心的存在でもあった。
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