横浜と楽天が監督人事で「コロナ同盟」?…巨人優勝で始まった“球界シャッフル”

ストーブリーグが本格化し、セ・リーグでは、自力優勝の可能性が消滅した横浜DeNAのラミレス監督が10月24日に球団に辞意を申し入れ、承認された。後任は〝ハマの番長〟こと三浦大輔二軍監督の昇格が有力視されているが、ベンチ裏で〝隠し球〟の名前が囁かれている。それが楽天の石井一久GMだ。

ドラフト会議を終えたばかりで、編成面のトップを預かるGMの強奪は、常識では考えづらい。しかし、横浜DeNAの南場智子オーナーと楽天の三木谷浩史オーナーはコロナ禍の球界刷新について〝同盟関係〟にあり、秘密裏にトップ協議が進行しているという。

ベイスターズの親会社ディー・エヌ・エーは、昨年度の決算で損益が491億円。2005年の上場以来、初めての最終赤字だった。今年度はゲーム部門に加えてコロナの感染拡大でプロ野球も大打撃を受け、さらに影響が出ている。

「新監督に三浦二軍監督を、というのは、支出を抑えるのが狙い。そこで対抗馬として石井GMの監督招聘案が浮上したのです。大物監督の外部招聘ではなくフロント幹部の引き抜きなら、年俸は数千万円に抑えることができ、より効率的な強化が図れるというのが親会社サイドの判断」(スポーツ紙デスク)

監督は作戦を実行する“コマ”という横浜と楽天の考え

南場オーナーが目指す野球モデルは、アストロズを破り、ワールドシリーズ進出を決めたMLBタンパベイ・レイズ。選手年俸が全30球団中28位(約60億円)にもかかわらず、首位ヤンキース(約257億円)以上の好成績を収めることができたのは、斬新な球団運営にあると注視している。

「オーナーのスタンバーグ氏、球団社長のシルバーマン氏は投資銀行出身の金融のプロ。ネアンダーGMとともに独自のデータで戦力を分析し、チーム補強や守備シフト、打者起用などのグラウンド内の作戦を事細かに練っている。監督は作戦を実行する〝コマ〟という考え。そのビジネスモデルを、石井氏を通して横浜DeNAと楽天で作り上げようといているのです」(同)

昨年、筒香嘉智にポスティング移籍を容認し、レイズに送り出したのもその一環。ノウハウを実地で学び、将来、指導者としてフィードバックしてもらうという企業戦略が込められている。

早々とラミレス監督が辞意を表明したのは、「楽天監督が内定したから」という怪情報もある。それほど〝南場-三木谷連合〟は結束を強めている。