社会

“伝統”の陰に潜むサルの強制労働~ニッポンを支える「隙間ビジネス」舞台裏

「隙間ビジネス」舞台裏
「隙間ビジネス」舞台裏 (C)週刊実話Web

ココナツ(ヤシの実)製品は昔から「自然から贈られた最高の宝物」といわれ、健康成分がたっぷり含まれている。

しかし、米国の動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」のアジア支部から、「タイのココナツ農園ではサルが強制労働を強いられている」と告発されてしまったのだ。

「消費者は、ココナツミルクを『クルエルティフリー(残虐性がない)』と信じていますが、現実にはサルを酷使するなど多くの残虐さがあるのです」(PETA関係者)

「伝統文化」か「残酷」か

ココナツの収穫に使われる「ブタオザル」は、飼育下で生まれた個体を除き、野生種はタイの法律で保護されている。だが、PETAは「その多くは法の目をかいくぐり、赤ちゃんの頃に野生から捕獲された可能性が高い」とみている。

PETAでは、ブタオザルが木に登り、ココナツを採ってくるよう「サルの学校」で訓練を受けている様子を記録している。しかし、タイでは古来よりココナツの収穫にブタオザルを用いてきた。

日本のイルカ漁のように、タイでも「伝統文化」か「残酷」かという葛藤が見え隠れしている。

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