エンタメ

蝶野正洋『黒の履歴書』~東京オリンピックは全国民が強制参加

蝶野正洋『黒の履歴書』~東京オリンピックは全国民が強制参加 
蝶野正洋『黒の履歴書』 (C)週刊実話Web

ついに東京オリンピックの開催が近づいてきた。ただ、ここにくるまで相当ゴタゴタしていたというか、なし崩しでどんどん進んでいったことは記憶に留めておきたい。

そもそも「開催するかどうか」という議論をしていたのに、いつの間にか「有観客か、無観客にするか」という話になって、さらに「観客数はどうするか」「酒を提供するのか」と、すべてがウヤムヤに決まっていった。いかにも日本的な展開だったよ。

中止の意見も多かったが、実際に始まってしまえば盛り上がると思う。マスコミだって「オリンピックで人流が増すとこんなに危険」と連日報道しているが、少しずつオリンピック開催に対する前向きな情報が増えて、いつの間にか「がんばれニッポン!」となってしまった。バックにいる広告代理店やスポンサーのパワーもあるんだろうけど、マスコミのあおり方は相変わらずだな。

まぁ、俺もいざ始まったら中継を見てしまうし、しっかり応援をすると思う。特に陸上は健闘しそうだし、テニスの大坂なおみ選手もメダル獲得が確実視されているから注目している。

ただ、コロナが収束したわけじゃないから、始まってから何が起きるか分からない。日本に入国した選手から陽性反応が出たという話もあるし、直前で選手派遣を断念する国も出てくるだろう。だから、実際にオリンピックが始まっても、競技として成立するのかという問題がある。

いつ緊急招集がかかってもおかしくない

当然、100メートル走をやっても選手がそろわなくてコースが埋まらないとか、チーム競技で人数が足りなくなるようなケースが出てくると思うんだよ。サッカーチームでクラスターが発生して選手が9人しか出られなくなって、11対9のハンディキャップ戦になるとか、野球も選手が足りなくて透明ランナー制を導入するとか、子供がやっているようなルールになるかもな。

そうなると、実況するアナウンサーも腕が試される。「第3コースのアメリカ代表選手、今日は少し熱があったようで欠場しました。代わりの選手が来ていますが、データは何もありません」みたいな、過去のオリンピックとはまったく違う実況になるだろうね。

そういう不測の事態が起きる実況は、プロレス実況をやっているアナウンサーが得意なんじゃないか。普段から乱入とか試合放棄とか、何が起こるか分からない現場で喋っているからな(笑)。

あと、選手だけじゃなく、新型コロナでいつ誰が出られなくなるか分からない。審判や計測係なんかも、常に代わりの人を確保しておく必要がある。競技経験者は「審判をやってもらえませんか?」と、いつ緊急招集がかかってもおかしくないんだよ。

俺も学生の頃にやっていたサッカーの審判や選手として、東京オリンピックに呼ばれるかもしれないな。人材がいなさすぎて、やったことない新体操でも「みんな陽性になってしまったので、蝶野さんお願いします」と言われる可能性だってゼロではない(笑)。

そういう意味で今回の東京オリンピックは、全国民が強制参加だ。見ているだけじゃなくて、いつ声が掛かっても対応できるように、みんなスタンバイしておいたほうがいいぞ。

蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

あわせて読みたい