エンタメ

帯状疱疹はなぜ起こる?〜『痛みの悩み相談室』(監修/井尻慎一郎先生)

聴診器
(C)週刊実話Web

帯状疱疹は皮膚科の病気ですが、整形外科など他の科でも治療します。幼少期の水ぼうそうを引き起こす水痘帯状疱疹ウイルスが神経細胞に潜んでいて、大人になってから加齢やストレス、免疫低下が引き金になって帯状疱疹を発症します。

最初は皮膚のかゆみや痛み程度ですが、数日後には水ぶくれとチリチリ、ビリビリとした神経痛が出てきます。水ぶくれは顔や背中から腹部、手足などにかけて、必ず左右の片側に、末梢神経の走行に沿って帯状に広がっていきます。

最初は水ぶくれがないことが多く、見逃されやすい病気です。腰痛として湿布を貼って、水疱ができても湿布かぶれとして見逃されることもあります。

治療が遅れるとやっかいな状態に

何よりも早期発見と早期治療が大切です。治療が遅れると、強い神経痛が持続する帯状疱疹後神経痛という、やっかいな状態になり得ます。

バルトレックス、ゾビラックスなどの抗ウイルス薬を経口で飲みますが、顔面の帯状疱疹は難聴や視力障害を起こすことがあり、それぞれ耳鼻科や眼科でより強力な治療が必要な時もあります。

帯状疱疹は高齢になるほど多いのですが、最近は若い人にも増えています。これは2014年から小児に水痘ワクチン接種が始まり、水ぼうそうの子どもが減り、周囲の大人がウイルスに被ばくする機会が減り、免疫ができないことが原因です。50歳以上の人には、ワクチンが2種類使えるようになっていますので、皮膚科の医師にご相談ください。

監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp

あわせて読みたい