エンタメ

『イワナ』埼玉県横瀬町/あしがくぼ渓谷国際釣場産〜日本全国☆釣り行脚

『イワナ』~埼玉県横瀬町/あしがくぼ渓谷国際釣場産〜日本全国☆釣り行脚 
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

山の空気と渓流のせせらぎ。夏に恋しい自然の恵みを堪能するべく、埼玉県の『あしがくぼ渓谷国際釣場』へ来ております。

前回は手始めとしてニジマスと戯れ、併設の食堂で釣りたてを焼いてもらい、缶ビールで乾杯! ぜいたくな昼時間を満喫しました。

ひとしきり堪能し、「さて帰ろうか」と施設の出口まで来たところで、ある看板に目が止まりました。

「イワナ釣り!」

はて…、ここってイワナも釣れるの?

気になったので戻って係の方に聞いてみると、なんとニジマス釣場とは別に、下流の渓谷エリアでイワナ釣りも楽しめるとのこと。こちらのエリアは、ほぼ手つかずの渓相が保たれているようです。

「そんなわけで、貸竿(竹竿)ではイワナを釣るのは厳しいかもしれません…」

係の方にはそう言われましたが、その点は心配ご無用。出かける前に、「どこか清流でやるのもアリだなぁ…」と考えていたこともあり、カバンに収まる程度の道具は持参してきたのです。これは面白そうなので、あらためて半日券を購入してイワナにチャレンジです。

国道を300メートルほど歩き、指示された箇所の踏み跡を降りていくと、河原へと降りるはしごが設置されておりました。これを降りて河原に立つと、確かに手の加えられていない自然のままの渓流が広がり、にわかに心が踊ります。ほどなく係のおじさんがバケツを持ってきてくれ、ザバッとイワナを放流。いざスタートです。

『イワナ』~埼玉県横瀬町/あしがくぼ渓谷国際釣場産〜日本全国☆釣り行脚  
日本全国☆釣り行脚(C)週刊実話Web

直前でボチャンッ! 嗚呼…

「これなら釣れたも同然。まずは1尾手堅く…」

放流された落ち込み近くに仕掛けを流しますが、前回のニジマスと同様に反応はありません。

「そんなハズは…」

手を替え品を替え、さらには仕掛けを替えて攻めますが反応はありません。さてさて、どうしたものか…。

「せっかく自然の渓流に来たのだから、目先の獲物ではなく釣り自体を楽しもう」

ままならぬ放流ポイントに見切りを付け、広く探り歩きをしながら仕掛けを打ち返すことにします。河原伝いに歩くと、さっそくよさげな淵を発見! 仕掛けを流すとウキがスッと引き込まれ、心地よい手応えでニジマスが釣れました。先ほどの釣り堀で釣れたのとは、また違った満足感があります。

小渓流ながら随所に面白そうなポイントがあり、探り歩くうちに間違いなさそうな大きな落ち込みに辿り着きました。ここで慌ててはいけません。魚を驚かさないよう静かに仕掛けを落としていきます。

「ゴツッ、ゴツゴツッ!」

唐突な手応えに反射的に竿を煽ると、思いのほか強い感触が伝わりました。竿の弾力でその引きをいなしつつ、高い足場の上に抜き上げると…。直前でボチャンッ! 嗚呼…。

ラストに劇的! 力強い手応えで本命ゲット

すんでのところで取り逃してしまいました。おそらくニジマスでしょうが、明らかに型がよかった…。これにはついついアツくなってしまいました。

大都市近郊の渓流では、「ここぞっ!」というポイントでもまったく反応がないこともしばしばですが、「ここぞっ!」な場所でしっかりアタリが出るので、クセになってしまいそうです。

夢中で竿を振るうちに夕方となり、魚が落ち着いた頃合いになってきました。ラストは、これまで温存しておいた最初の放流ポイントへ仕掛けを入れます。

「グリグリッ!」

すぐに反応があり、力強い手応えで本命のイワナが掛かりました。う~ん、魚も落とし所を分かっていらっしゃる。って違うか。

『イワナ』~埼玉県横瀬町/あしがくぼ渓谷国際釣場産〜日本全国☆釣り行脚 
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

これにて満足。竿を納めて1日で二度美味しい、実に満足度の高い釣行となりました。

帰宅後は、イワナとニジマスを塩焼きに秩父の地酒『秩父錦』で晩酌です。

『イワナ』~埼玉県横瀬町/あしがくぼ渓谷国際釣場産〜日本全国☆釣り行脚  
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

清冽な渓谷で釣れた魚がマズいわけもなく、小気味よい手応えと悔しいバラシを思い出しつつ、心地よくほろ酔い気分に。いい夜です。

それにしても、釣れた喜びよりバラした悔しさの方が記憶には強く残るもので、あの落ち込みにはまたリベンジせねば…。この悔しさもまた釣りの醍醐味なんですな。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

あわせて読みたい