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『プロミシング・ヤング・ウーマン』/7月16日(金)より全国公開~LiLiCo☆肉食シネマ

『プロミシング・ヤング・ウーマン』/7月16日(金)より全国公開~LiLiCo☆肉食シネマ 
Ⓒ2020 Focus Features

『プロミシング・ヤング・ウーマン』
脚本・監督/エメラルド・フェネル
出演/キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー他
配給/パルコ

今回の作品は…正直、皆さんに紹介するべきか迷いました。なぜなら、見に行ったら少しばかり居心地が悪くなったりするかもしれないからです(笑)。でもね、そういう作品って、話題になる映画なんです。

「いったい、どんな風に居心地が悪くなるの?」と、皆さん気になるところでしょう。でも、それを言ってしまうとネタバレになってしまうので、ギリギリで止めておきます。もしも、映画好きな恋人や奥様がいたら、「友達何人かで見に行くと、その帰り道が盛り上がるよ」とオススメしてあげてください。私も試写会を3人の女性と見たら、駅までの会話がスゴかった。バブル時代を経験した女性は「あんな男は、いっぱいいたよ~」とか、若い女性は「男性はこの作品をどう見るのかなぁ」など、過去に出会ったダメ男を思い出してはイライラ。でも、それがこの作品の面白いところ。あ~胸くそ悪い~でも、その苛立ちの感情があるからこそ楽しめてしまうのが、この映画の魔法のパワー。アカデミー賞脚本賞受賞に納得! 最強の復讐エンターテインメントです。

男性ならドキッとすること必至のセリフ

とにかく映画の冒頭って、とても大事。観客の心を鷲掴みにしたら、絶対に離してはいけません。作品のスタートは、踊りまくっている男性たちのお尻まわり、もちろんズボンは穿いていますが、大事なモノがあるアングルのシーンから。これはいったい、何を表現したいのか、見ていくうちに答えが分かります。

作品の全体的な色も斬新で、主人公のキャシー(キャリー・マリガン)が登場するシーンはエロスがみなぎり、これからとんでもない物語が始まるのが分かります。

美人のキャシーはバーで酔ったフリをして、お持ち帰りする男たちを、とにかく痛めつける。〝これは彼女にとってのゲーム?〟〝過去に何があって、こんなことを繰り返すのか?〟。

彼女の行動にも驚かされますが、何よりもあ然とさせられたのは、酔った彼女を遠慮なく持ち帰ってしまう男たち。酔っているからと家に連れて行き、服を脱がせてワンナイトラブができると思い込んでいる神経を疑う。しかし、これから…という最高の瞬間、完全にシラフな彼女が冷静な顔で「なにしてんの?」と聞いてくる。これは、男性にとっては恐怖ですよね~。〝酔ってたんじゃなかったの!?〟って、男性ならドキッとするはずです。

若気の至りでやってしまったこと、アナタは忘れてるけど、相手は覚えています。さぁ、皆さんは映画館に行く勇気、ありますか?

LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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