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小池百合子都知事に政界引退説…「倒れても本望」悲壮感の真意

小池百合子都知事
小池百合子都知事 (C)週刊実話Web

体調を崩し6月22日から都内の病院で静養していた小池百合子都知事が7月2日、10日ぶりに都庁で緊急復帰会見を行った。

マスク姿で会見した小池都知事は時折、言葉がかすれ咳をするなど万全にはほど遠い印象だった。しかも、「東京にとって今ほど最重要時はない。どこかでバタッと倒れても本望だ。やり抜いていきたい」と何やら、覚悟を決めたような発言を繰り出し、記者陣をザワつかせた。

「オリ・パラ(東京五輪・パラリンピック)が無事に終わり、コロナ収束に見通しがつけば、都知事を電撃辞任、つまり政界引退も視野に入れつつある」

小池都知事側近周辺からは、そんな驚愕の政界引退説が漏れ出した。都庁担当記者が明かす。

「緊急会見は本来の立ち会見ではなく、着席会見。しかも、言葉に力がなく体調は依然厳しそうでした。それでも無理を押して会見に臨んだのは、コロナ禍での五輪開幕を見据え、東京都のトップ自らが都民、国民に対し理解と協力を訴えたのでしょう。真相を知らない人たちは今度の静養を『都議会議員選挙で都民ファーストの会、自民・公明陣営、すべてに配慮した引きこもり作戦』とか『テクノシステム太陽光発電詐欺事件で雲隠れ』などと推測し、騒いでいる。麻生太郎副総理兼財務相にいたっては、都議選の応援演説で小池都知事の入院を『自分でまいた種』と切り捨てた。しかし、過労は本当ですよ」

同記者によれば、都知事の体調不良の兆候は入院直前まで刻々と悪化していたという。

「6月18日は午後2時からの定例会見と、午後6時40分からのコロナ対策会見が二度あった。私があれっと思ったのは、通常、小池都知事は笑顔を交え、まっすぐ前を向いて会見する。それが18日は普段と異なり、明らかに目がすわり頬が痩せこけていた。上目遣いで周囲を見ており、立っているのがやっとのように感じた。しかも、18日の最初の会見は、夜に二度目の会見を控えているとはいえ、通常の半分、20分で突然打ち切り宣言する有り様だった。都知事は相当疲れている様子がアリアリでしたね」

腹を括ったように見えた…

週明けの入院当日、6月22日は会議で息が切れ、声もかぼそく苦しそうな表情がモロに出ていた。そして同夜、緊急検査入院となる。

「日々、都知事に張り付いている記者からすれば、本当に体調はすぐれなかった。懸念されるのは今後。果たして、登庁して大丈夫なのか。まだ声もかすれ咳も出ている状態ですから」(同)

小池都知事は1992年の参院選比例区(日本新党)で初当選。翌年、衆院選(旧兵庫2区)で鞍替え立候補し当選を果たした。新進党、自由党、保守党などを経て、02年自民党入党。翌年、環境相として初入閣。

小泉内閣時代の05年には、郵政民営化に反対した自民党議員の刺客として衆院東京10区から出馬し当選した。その後、女性初の冠で防衛相、自民党三役を務めるなど将来は女性初の首相として期待された。

「それがいまや自民党を敵にまわしての女性初の都知事だ。特に、都知事就任後は敵だらけ。それでも彼女は強気一辺倒で今日まできた。しかし、今回はかなり弱気だ」

と語るのは小池側近。

「2日の復帰緊急会見で小池さんが三度も『たとえバッタリ倒れても本望、(コロナ対策、五輪などに)全力でやり抜く』と悲壮感をこめ繰り返したのを聞き、何か腹を括ったと思った。同じタイミングで『今後、心身の疲労が抜けなければ任期3年を残し、都知事辞任を漏らし始めた』という仰天情報が水面下で駆け巡ったのは事実だ。おそらく小池さんが、どこかで漏らしたのかもしれない。退陣意思が強固なら、五輪・パラ終了とコロナ収束を見届けてから、という尾ヒレまで付く有り様。当然、国政復帰はゼロだ。しかし、辞任話が駆け巡るのは気力、体力不足だけか。それが何かは不明だ。重病説? それは分からない。個人情報ですから」(同)

辞任せざるを得ない深い理由とは?

全国紙ベテラン編集委員が指摘する。

「小池さんは国政時代も二度体調を崩し長期療養した。一度目は98年、子宮筋腫で全摘し、約1カ月前後国会を離れた。二度目は自民党に戻り、安倍内閣の国家安全保障問題担当の総理補佐官時代、肺炎にかかり半月ほど休養した。どちらも軽度の病気ではないが、彼女はその都度、乗り越え不死鳥のように蘇った。今回も過労で気弱になっているだけではないか」

7月4日投開票の都議選。当初の予測では自公圧勝、小池都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会は苦戦を強いられていた。だが、ふたを開けてみれば、都民ファーストの会は31議席獲得で善戦した。

「小池都知事の入院、緊急復帰会見、加えて麻生財務相の『自分でまいた種』発言で、都民ファに同情票が流れた結果でしょう。小池人気、支持率は59%(読売新聞)と異常に高い。特に女性に人気というから、もはや自公はそのパワーを無視できない。その都知事に退陣説がある? 冗談だろう。事実なら辞任せざるを得ない深い理由があるはずだ」(ベテラン自民党議員)

別の自民議員が続ける。

「小池都知事は緊急入院前の6月19日土曜午後3時すぎ、体調が悪いのを押して、公邸の菅首相を訪ね約1時間会談している。会談の中身は2人以外、誰も知らない」

東京五輪後に小池劇場は風雲急を告げる。

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