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女子プロレスラー・尾崎魔弓インタビュー~デビュー35周年と恋の場外乱闘

尾崎魔弓
尾崎魔弓 (C)週刊実話Web

女子プロレスラーとして超ベテランの域に達した尾崎魔弓だが、まだまだプロレスも恋もお盛んな現在進行形。

最近はリング外でも、TBS系の人気バラエティー番組『中居大輔と本田翼と夜な夜なラブ子さん』に出演するなど、活躍の場をさらに広げている。そんな彼女に、プロレスや恋愛観について聞いてみた!

1986年に尾崎魔弓がデビューした当時は、まだ女子プロレス界に美人で華奢なレスラーは珍しく、たちまち注目の的となった。そして、尾崎のデビューは同時に、新しいヒール(悪玉)の誕生でもあった。

それまでヒールといえば、ダンプ松本のような派手なメークで凶器を持ったスタイルばかりだったが、尾崎はスタイリッシュなヒール像を標榜し、一貫して「愛され憎まれるヒール」という立ち位置で女子プロレスを盛り上げてきた。

しかし、ハードな闘いを続ける中で、紆余曲折も多かったであろう。そんな35年に及ぶプロレスラー人生は、いったいどんなものであったのか?

――今年35年を迎えていかがですか?

尾崎「ワハハ、笑っちゃうよね。自分でもびっくり。なんだろうねー、もう35年というか、気がついたら35年たってた。実感も湧かないし、複雑な感じですね」

――SNSでデビューの頃の写真をアップされてましたけど、やっぱりかわいいというか、きれいでしたよね。もちろん今でもきれいですが、あの頃は女優の小林麻美に似てましたね。

尾崎「ああ、当時はたまに言われてました。でも、今の子に言っても知らないんじゃないかな」

――2008年に「尾崎軍」というユニットを組んで、それから「正危軍」となり、メンバーもずいぶん変わりました。現在、桜花由美、雪妃魔矢、安納サオリとなっていかがですか?

尾崎「今が一番いいですね、しっくりくる。メンバー的にも一致団結しているので、居心地がいいです」

――一時期、桜花さんと雪妃さんが仲違いしていましたけど。

尾崎「もう、冷や冷やしたよ。安納と様子をうかがってたけど、結局、誤解が解けて、さらに正危軍の団結力が増しました」

毎試合が最後という思いで闘ってます

――35年間の中で、印象に残っている思い出とかありますか?

尾崎「うーん、良い事も悪い事もたくさんありすぎて、何を思い出していいか分からないな(笑)」

――では、試合ではいかがでしょう?

尾崎「やっぱりデビュー戦かな。あとは初めてベルトを取ったとき、対抗戦に出場したときとか、それにダイナマイト・関西に勝てたときかなって、結構あるね。新人の頃は体が小さくてなかなか勝てなかったから、体の大きい関西に勝てたことはうれしかったですね。今はズルを覚えたから、簡単には負けませんよ(笑)」

――尾崎さんの活躍は、この先も現在進行形ですね。

尾崎「まわりに若い子がいるからかな。でも、今は毎試合、最後という思いで闘ってます。悪い意味でなく、それは怪我をするかもしれないし、気持ちも変化するかもしれない。だから毎試合、毎試合、悔いが残らないように精いっぱい力を出して挑んでいます」

――でも、尾崎さんが辞めてしまったら、他のメンバーが困っちゃいますよね。

尾崎「桜花と雪妃は、おのおのの団体でトップとして頑張っているから、正危軍の経験を活かして活躍していけると思うけど、心配なのは安納だな(笑)。あの子は今、フリーなんで」

――安納さんといえば、試合で腰の骨を痛めてしまいましたね。

尾崎「それも心配なんです。しっかり治さないと後々になってくるから、『年を取ったとき腰が曲がっちゃうよ』と言ってあるんです」

――尾崎さんも膝を痛めて、手術したことがありますね。

尾崎「2回手術しました。今でも調子はいまいちです。私たちの世代は多少の怪我をしても、病院なんて行かないって風潮だったので。今になって病院に行くと、大昔に骨が折れてたり、じん帯を切ってたり、指摘されることがあります」

――昔は無理をしていましたからね。

尾崎「女子プロレスはハードですから、やはり後々にダメージがきます。早いうちに治しておかないと、将来に影響が出るということを実感してるので、今の若い子たちには、『そのくらいの怪我と思っても、すぐ病院に行きなさい!』って言ってます」

いつか保育園をつくるのが私の夢

――まだまだ後輩を引っ張っていかないといけませんね。それに、ファンのためにも現役でいてもらわないと。ところで、尾崎さんは保育士資格を取得されたんですよね。

尾崎「3年前かな。資格を取るのは大変でした。どうしても興行があるので、夜にしか勉強できなくて」

――なぜ保育士の資格を取ろうと?

尾崎「いつか保育園ができたらいいなと考えているんです。これは私の夢でもありますね」

――ヒールの英才教育?

尾崎「それも面白いですけどね(笑)。プロレスラーが保育園をやるなら、ほかと違う色を出したいんです。体力を付けるには小さいときからやるのが大切ですから。今の子どもたちって携帯やタブレットばっかりだし、コロナ禍ということもあって内向的になってますからね」

リングでは非情なまでの試合を展開しているが、美しいヒールは情に厚いようだ。また、尾崎は最近、プロレス以外でも話題になっている。2020年7月にバラエティー番組『中居大輔と本田翼と夜な夜なラブ子さん』(TBS系)に出演した際、正危軍マネジャーのポリスと交際していることを公表。以降も順調に愛を育んでいたが、その後、ポリスと破局を迎え、番組を卒業することになった。だが、しばらくして再び番組に登場し、今度はなんと10歳年下のイケメン格闘家、砂辺光久と交際中であることを公表した。

――『夜なラブ』とは、また思いきった番組に出演していますね。

尾崎「知り合いに、この番組のオーディションがあるから受けてみたらと言われて、ダメもとで受けたら通っちゃったんですよ。かわいい子たちばかりで楽しいですよ。若い子のエキスを吸っていますから(笑)」

――いつまでも元気でいられる秘訣ですね。しかも乗り換えも早い。恋に年齢は関係ないですね。

尾崎「いくつになっても恋はしていたいです。だって年だからって老け込むのは嫌じゃない。この番組に出演してから、SNSで50代の人から〈尾崎さん見て私も頑張ろうと思った〉とか、コメントをもらうんですよ。うれしいですね。老けたらボケちゃうからね、刺激とトキメキが大事。いつまでも元気で、死ぬまで恋愛していたいですよね」

――これからもリングだけでなく、将来の夢も恋愛もスリーカウントで勝ちにいきますね。

尾崎「頑張ります!」

(文:飯塚則子/撮影:原啓之)

尾崎魔弓プロフィル
1968年10月28日生まれ。埼玉県川口市出身。身長158センチ、体重57キロ。得意技/テキーラ・サンライズ、オザキック、裏拳。

※お知らせ…尾崎魔弓35周年記念『プラムの花咲くOZの国~正危軍興行~』8月18日(水)後楽園ホール 17:15開場/18:00試合開始

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