【國澤一誠のゾッとする実話怪談】第十一夜 電車のおばちゃん――窓ガラスに映る、あの女の視線



おばちゃんはなぜガラス越しに投稿者を見ていたのだろうか・・・


■ 電車を避けても現れる女、母が見せた異変

気持ちが悪くなり、次の日は電車を使わずバスに乗りました。しかし、そのバスの車内にも、あのおばちゃんが乗っていたのです。そしてやはり、窓ガラスに反射した私を、ずーっと見ているのです。

あまりにも怖くなり、帰宅後、母親にその話を打ち明けました。

「ストーカーなのかな?」と心配した母親は、「明日ついていくよ」と言ってくれました。少し恥ずかしさはありましたが、翌朝は母親と一緒に行くことにしたのです。

すると、またあのおばちゃんが乗ってきました。

「あのおばちゃん――」と母親に伝えようとしたそのとき、隣にいた母親の唇と手が小刻みに震え出しました。そして、おばちゃんの方を見たまま、こう言ったのです。

「……あの人でしょ」

「そうだよ」と答えると、母親は「わかった」とだけ言い、それ以上は何も口にしませんでした。

それから、数日後のことです。

母親が洗濯物を干しにベランダに出ると、突然、悲鳴を上げました。慌ててベランダへ駆け寄ると、そこから見える公園に、あのおばちゃんがいたのです。

こちらをジーッと見つめたまま、首を吊った状態で――。

 ■ 父が明かした女の正体、そして今も続く視線

あまりの出来事に、ずっとあのおばちゃんが何者なのかを両親に聞けずにいましたが、つい最近になって、父親からその真相を教えてもらいました。

実はあのおばちゃんは、父親の元交際相手でした。
父親と別れ、その後父親が母親と結婚して私を授かったとき、その女性は「その子は私の子」とずっと言い続けていたのだそうです。

どれだけ違うと言っても聞き入れず、何度も私を誘拐しようとして一度逮捕されたこともあったそうです。警察から接近禁止命令も出ていましたが、それを破って再び姿を現したため、父親はまた警察に通報したのだといいました。

「そしたら、あの公園で首を吊って死んだんだよ……。でも、あの日以降いなくなって本当に良かったよ。ずっと不安だったからな」

父親はそう語りました。

たしかに、あの日以降、現実の電車やバスに、あのおばちゃんが姿を現すことはなくなりました。

それでも私は、今でも時折、窓に反射したあのおばちゃんと、目が合うのです……。

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