結成85周年を迎えた阪神タイガースが、「女子硬式野球クラブチーム」を結成する。プロ球団公認の女子チームは、パ・リーグでは埼玉西武ライオンズが結成しているが、セ・リーグでは初めての取り組み。もともと女性に向けた企画には熱心な阪神だが、これまではファンが対象。今回は競技者へもアピールする。
球団発表によれば、女子チームは「選手が無報酬で活動するアマチュア」としてスタート。女子硬式野球と阪神ファンの拡充、そして、地域振興への貢献が目的だ。監督には阪神OBが就任し、練習を指導。全日本選手権など大きな大会にもチャレンジする。
女子チームは今後、入団希望者を募ってセレクションを実施。来年1月までには編成を終えて、チーム名、ユニホーム、監督やコーチが発表される予定だ。
セ・パ12球団初となる女子選手誕生の可能性
女子スポーツと言えば、バレーボールやサッカーに人気が集まっている。硬式野球はプロリーグこそあるものの、盛り上がりはいまひとつ。そこへ人気球団が支援するクラブチームが結成されれば、ファンはもちろん、女子野球の関係者からも大きな注目を集めることは確実だ。
阪神OBの評論家・仲田幸司氏がこう語る。
「硬式野球をやっている女性には、1つの目標であり、いい受け皿になりますね。これで裾野が広がっていけば結構なことです。アマチュアのクラブチームということですが、阪神をきっかけに他のチームにも広がれば、将来はリーグ化の可能性もあります。その中からプロを目指そうという選手も出てくるでしょう」
その一方、アマチュア野球の関係者からは、「過去にも女子選手の話題だけで終わった独立リーグがありました。やるからには長く続いてほしいですね」という声も出ている。
降って湧いた新型コロナ禍で閉塞状況にある今の野球界には、明るい話題であることは確か。女子硬式野球の活性化を目指し、さらにはセ・パ12球団初となる、女子選手誕生の可能性を秘めたプロジェクトが動き出したと言えそうだ。
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