作家・村上龍さん死去74歳 『カンブリア宮殿』20年支え降板時には健康不安を案じる声も

村上龍さんの死去を伝える(株式会社幻冬舎公式HPより)

作家の村上龍さんが10月17日、自宅で死去した。74歳だった。出版元の幻冬舎と村上龍事務所が23日、公式サイトで発表したもの。葬儀は近親者による家族葬で執り行われ、弔問、香典、供花、弔電などは遺族の希望により辞退された。

1976年に芥川賞受賞

村上さんは1952年、長崎県佐世保市に生まれた。武蔵野美術大学在学中の1976年、米軍基地近くの街を舞台に退廃的な日々を送る若者たちを描いたデビュー作『限りなく透明に近いブルー』で群像新人文学賞を受賞し、同年の芥川賞も受賞。衝撃的な作風と鋭い時代感覚で一躍注目を集めた。

その後も『コインロッカー・ベイビーズ』『愛と幻想のファシズム』『69 sixty nine』『半島を出よ』など、戦争、性、暴力、消費社会といった現代の断面に切り込む作品を次々と発表。同世代の村上春樹さんと並んで『W村上』と呼ばれ、日本文学を代表する作家の一人となった。98年の『イン ザ ミソスープ』で読売文学賞、2000年の『共生虫』で谷崎潤一郎賞を受賞している。

『カンブリア宮殿』で20年メインインタビュアーを務めた

村上さんはテレビでも大きな存在感を発揮した。2006年にスタートしたテレビ東京『日経スペシャル カンブリア宮殿』では、女優・小池栄子とともにメインインタビュアーを務め、約20年にわたり番組の顔となった。豊田章男氏、柳井正氏、孫正義氏ら名だたる経営者に直接向き合い、経営者の本音や企業の挑戦を引き出す役割を担った。

今年3月26日放送の『村上龍&小池栄子卒業SP 未来をつかむ経営とは?』をもって、村上さんと小池さんは番組を卒業。放送20年の節目となるスペシャル回では、過去に出演した経営者たちの歩みと現在の挑戦を振り返り、日本企業の20年をたどる構成となった。

降板時の健康不安説

「とくに『カンブリア宮殿』後半の村上さんの話し方について、ろれつが回らないように感じるという指摘や、年齢を重ねたことによる変化を心配する投稿がSNSなどで見られました。ただ、村上さん本人や事務所、テレビ東京が健康状態や降板の理由を公式には説明しませんでしたが」と語るのは、テレビ関係者。

村上さんの訃報を受け、幻冬舎BOOKSは公式Xで『村上龍氏 ご逝去のお知らせ』として発表。2023年発表の『ユーチューバー』が遺作となったと報じられている。

芥川賞受賞から半世紀にわたり、小説、映画、テレビという異なる表現の場を渡り歩いた村上さん。経営者たちの言葉を引き出すインタビュアーとしても、日本のビジネスシーンに独自の視点を残した。74歳での死去は、文学界とテレビ界の双方に大きな喪失をもたらすこととなった。

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