「ボクシングをやめて拳闘をする」那須川天心が“非公式会見”で真意説明…ファンに思いは伝わったのか?



敗戦後「もう何が何だかよくわからないですありがとうございました」とアップしていた那須川天心(Instagramより)


■ キックは短距離走、ボクシングは長距離走 必要なのは勝負どころを増やすこと


那須川は、キックボクシングとボクシングの違いを、短距離走と長距離走にたとえて説明した。

3分3ラウンドのキックボクシングに対し、ボクシングは3分12ラウンド。試合時間が長くなるなかで、瞬発的な動きだけでなく、長いラウンドを通じて勝負を仕掛ける機会を増やしていく必要があるという考えだ。

スピードや反応のよさを生かすだけでなく、長い試合のなかでどこまで力を温存し、どのタイミングで一気に攻めるのか。スタミナ配分と攻撃の組み立てが重要になる。

井上戦では7ラウンドにダウンを奪ったものの、その後に勝利を決定づけることはできなかった。持ち味であるスピードを維持しながら、試合の流れを変える攻撃をどれだけ増やせるか。那須川自身が語った短距離走と長距離走の違いは、ボクサーとして次の段階に進むうえでの課題を示している。

■「ボクシングをやめて、拳闘をする」KOを意識したスタイルへの転換


会見で特に注目を集めたのが、那須川の「ボクシングをやめて、今後は拳闘をしようと思います」という発言だ。

もちろん、ボクシングそのものから引退するという意味ではない。相手を倒すことをより強く意識し、自らの攻撃で試合を決められる選手を目指すという決意表明と受け取れる。

那須川は、人の手に勝敗を委ねるのではなく、自分の手で決着をつけられる選手にならなければいけないという趣旨の考えも示した。互いに倒す覚悟を持ってぶつかり合う、そんな試合の迫力や興奮を取り戻したいという思いが込められている。

判定で勝つことも、ボクシングにおける正当な勝利だ。今回の発言は、判定による勝利を否定するというよりも、自らの攻撃で試合を決める力をさらに磨きたいという意欲の表れといえるだろう。

ただし、KOを強く意識することと、実際に相手を倒せることは別の話だ。攻撃を急ぎすぎれば、持ち味のスピードや距離感が損なわれる可能性もある。相手を仕留める力を磨きながら、自分のスタイルをどう進化させるのかが問われる。

■ 会見の記事を読んだネットユーザーの反応は? 真意は伝わったのか


今回の会見内容を報じた記事に対しては、那須川の発言をめぐって厳しい意見や、今後に期待する声が見られた。

「結局、拓真へのリスペクトは感じない」「普通に負けた」といった批判がある一方、発言の一部だけで判断すべきではないという見方や、今後の戦い方に期待する声もある。

特に注目されているのが、「ボクシングをやめて拳闘をする」という発言だ。KOを狙う姿勢を歓迎する声がある一方、パンチの破壊力や持ち味のスピードを考えると、倒し合いを目指すスタイルが本当に有効なのかという疑問も出ている。

会見での説明に理解を示す人がいる一方、井上へのリスペクトや、KOを意識したスタイルへの転換に納得できない人もいるようだ。真意を説明することと、発言に対する受け止め方が変わることは、必ずしも同じではない。

 ■ 次戦でどんな変化を見せるのか


キックボクシングなどで「神童」と呼ばれた那須川も、いまやボクサーとして世界の頂点を目指す立場にある。井上戦では7ラウンドにダウンを奪いながら、判定で敗れた。試合後の発言をめぐる批判に加え、今後どのようなスタイルで勝利を目指すのかにも注目が集まっている。

今回の会見で真意を説明したとしても、「言い訳のように聞こえる」「井上へのリスペクトが足りない」といった印象を払拭するのは簡単ではない。

自ら掲げた「拳闘」というテーマのもと、次戦で攻撃的なスタイルをどこまで打ち出せるのか。そして、持ち味のスピードを生かしながら、KOで決着をつけることができるのか。

今回の会見で語った決意がリング上でどのように表れるのか。那須川の次戦は、発言の真意だけでなく、ボクサーとしての進化を占う一戦となりそうだ。

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