「セリフが覚えられない」蝶野正洋が明かす“俳優失格”の意外な理由【蝶野正洋の黒の履歴書】

藤波辰爾の棒読み演技

ドラマや映画に俳優として出演したプロレスラーは他にもいるけど、俺の知る限りみんなヘタだよね。藤波さんもNHKの朝ドラに出てたけど、セリフは棒読みで声だけ甲高く、まさに『マッチョ・ドラゴン』(シングルレコード)みたいだったよ(笑)。俳優とレスラー、どちらの世界でも成功しているのは、WWEのスーパースター、ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンくらいじゃないかな。

小沢さんにその話をしたら「プロレスラーは存在感だけで成り立つから、演技力とかどうでもいいんですよ」と言われた。 

確かに、プロレスラーは普段からキャラクターやイメージを背負っている。猪木さんが24時間「アントニオ猪木」だったようにね。その上に、さらに役を乗せて演技するというのは、なかなか難しいことかもしれない。

逆に、俳優がいきなりプロレスのリングに上がって試合をするというのも大変だろうね。俺たちは試合になったら体が勝手に反応するし、自然に受け身が取れる。でも、役者さんはこうきたらこう返して…と、頭の中でいろいろ考えてしまうから、動きがぎこちなくなる。

俳優とプロレスラーは、訓練してきたものが違う。似てるようで、全然違う世界なんだよ。

「週刊実話」10月22日号より

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。84年に新日本プロレス入団。「nWo JAPAN」を率いるなど“黒のカリスマ”として活躍し、2010年に退団。現在はプロレス関係の他に、テレビやイベントに出演するタレント活動、「救急救命」「地域防災」などの啓発活動にも力を入れる。