「選ぶ側」から「選ばれる側」へ…織田翔希が12球団に突きつけた三行半

米球界へ直行!

10月15日、横浜高校の織田翔希投手が会見を開き、米球界への挑戦を表明した。最速157キロを誇る高校球界屈指の右腕は、「世界一のピッチャー」という最終目標に向け、アメリカの地で勝負する道を選んだ。

ドラフト会議が行われる22日まで、わずか1週間。12球団がそれぞれ描いてきた1位入札の青写真は、この会見で大きく見直しを迫られる可能性が出てきた。

12球団の熱意でも変わらなかった決断

織田は10月初旬、日米球団との交渉が解禁された7日前後に極秘で渡米し、サンディエゴでポストシーズンを生観戦したと報じられている。本場の空気を肌で感じたうえで帰国し、11日から4日間にわたってNPB12球団との面談に臨んだ。

ヤクルトを皮切りに、1球団あたり約30分。各球団は熱のこもったプレゼンを用意したという。そして面談を終えた末に、メジャーへ挑む意向を固めたと伝えられた。12球団が1位入札を見据えて準備を重ねる一方で、本人の視線は海の向こうへ向かっていたことになる。

就職活動にたとえるなら、企業が競って内定を出そうとするなか、学生は最終的に別の進路を選んだ構図である。もちろん、軽い気持ちの決断ではない。織田自身、会見では「すごく悩みました」と明かしており、面談が無意味だったと言い切るのは酷な話だろう。

「選ぶ側」だったNPBの誤算

とはいえ、長らくドラフトは「選ぶ側」である球団が主導権を握る仕組みだった。指名権を得た球団としか交渉できず、契約金も、新人の最高標準額として1億円+出来高5000万円が定められている。

一方のメジャーは、国際アマチュア選手との契約に球団ごとのボーナスプールを設け、その枠内で契約金を配分する仕組みだ。制度が異なるため、金額だけを単純に比べることはできない。そのうえで、織田にはスポーツ報知が「メジャー20球団以上が注目」と報じ、契約金4億円規模を用意する球団があるとの報道も出ていた。

ただし、これらはあくまで報道ベースで、実際の条件が明らかになったわけではない。そもそも織田本人が語ったのは、金銭ではなく世界一を目指すという志だったが、示せる金銭的条件に枠がある以上、日本の球団は土俵に上がる前から難しい戦いを強いられていた面は否めなかったのだ。

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