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骨粗しょう症は薬で治せる?〜『痛みの悩み相談室』(監修/井尻慎一郎先生)

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(C)週刊実話Web

骨粗しょう症は「骨が弱くなり折れやすくなる病気」で、日本国内では1300万人近い人が罹患していると推定されます。

以前は、老化現象として放置されることが多かったのですが、高齢化社会を迎え、背骨の圧迫骨折で日常生活に支障を来したり、大腿骨頸部骨折で手術が必要になったりするために「病気」として予防と治療が重要視されるようになりました。

治療としては、以前から骨の原料となるカルシウム製剤とカルシウムの腸管からの吸収を促進するビタミンDが使われていました。現在でも栄養素としてのカルシウムとビタミンDは重要です。しかし、これらは骨折を予防する効果が少ないことが分かり、さまざまな薬剤が開発されてきました。

骨が「溶ける」ことを防ぐ薬

現在の第1選択薬は、ビスフォスフォネートという薬です。骨は常に「作る」ことと、「溶ける」ことが繰り返されていますが、この薬は溶けることを強力に防ぐ働きがあります。

経口薬から注射薬までさまざまなタイプのビスフォスフォネート製剤があります。最近では一度骨粗しょう症による骨折を起こすと、さらに骨折を起こす連鎖を生じることが分かってきました。このため骨を増やし2回目、3回目の骨折を強力に予防するテリボンやフォルテオという注射薬が数年前から使えるようになりました。

イベニティという別のタイプの強力な注射薬もあります。薬は主治医と相談して、骨折を予防あるいは次の骨折を予防しましょう。

監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp

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