来春に行われる千葉県知事選を巡り、自民党県連は鈴木大地前スポーツ庁長官の擁立を進めていたが、鈴木氏自身が10月28日、出馬しない意向を表明。県連は今後、候補者の再調整を迫られることになった。
「千葉市長の熊谷俊人氏がすでに出馬の意思を固めており、いずれにせよ苦戦必至とみられていました。去就が注目されている森田健作知事は態度を明らかにしていませんが、不出馬の見通しが濃い。熊谷市長は県民から圧倒的な支持を受けており、人気もあります。これで候補擁立は白紙に戻ったわけですが、保守分裂か一本化か予断を許しません」(政界関係者)
森田知事は、国会議員時代から盟友関係にあった菅義偉氏が首相に就任したことで、支持者の間では4選出馬を求める声があるにはあった。しかし、昨年9月、県内を襲った台風15号の失策で県民から信用を失い、「出馬しても勝ち目はない」という下馬評だ。
森田知事の不出馬に備え、自民党県連は過去の知事選で森田氏の支援を買って出た鈴木氏に、白羽の矢を立てようとしたのだが…。
鈴木大地氏“後ろ盾”がなくなり出馬断念!?
「鈴木氏は千葉県習志野市生まれ。1988年ソウル五輪100メートル背泳ぎで金メダル獲得し、引退後は日本水泳連盟会長を経て、15年にスポーツ庁長官に就任。今年9月で任期を終えました。鈴木氏と親しく、政界やスポーツ界に大きな影響力を持つ東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相が鈴木氏の出馬に反対したことが、どうやら断念の大きな要因のようです」(同・関係者)
千葉県民からは、「後ろ盾がなくなったから出るのやめたって、そもそものやる気を疑う」「老害の言いなり知事になるのはイヤだ!と自分で決めたのならカッコいいけどな」など、冷めた声も散見されている。
一方の熊谷氏は市議1期途中の09年、千葉市長選に出馬し、全国最年少市長として31歳で初当選。
「市長就任後は待機児童数を10分の1、市債残高を8年間で600億円以上削減と、政令指定都市ワースト1位から見事脱却させるなど数々の実績があります。県内の市町村は大半が財政難ですから、熊谷氏への期待は大きいと思います」(千葉市在住ライター)
千葉県知事選は台風並みに大荒れか、それとも穏やかに通り過ぎるのか!?
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