祖母と孫は“大親友”になった――世界的陶芸家の晩年を記録した『リサ・ラーソンがいた時間』【LiLiCoオススメ肉食シネマ 第337回】

大切な人を思い出す映画

でも、この作品はリサの作品たちの貴重なところがメインではなく、祖母と孫の素敵な絆の映画です。実の孫が祖母のドキュメンタリーを監督するって、かなり珍しいこと。子供の頃は、やはり忙しい祖母に近づくことが難しかったらしく、アトリエに招かれるまで静かに待っていたそうです。

監督である孫のエミリア・エクマン・ラーソンは、「粘土で遊ぶのが祖母の仕事だと思ってた。祖父が亡くなったのをきっかけに、祖母との時間をもっと大切にしたいとカメラを回し始めた」と語り、そこには少し距離を感じる祖母と孫から、大親友にまで成長する2人の姿がありました。見たら、きっとご自身の祖父母や親を重ねると思います。

1人の女性の生き様、陶芸家としてずっと働き続けたいと願ったリサ・ラーソン、その人生から生まれた素晴らしい作品たち、そして大きな家族愛。秋にピッタリのハートウォーミングな1本です。

『リサ・ラーソンがいた時間』
監督・撮影:エミリア・エクマン・ラーソン 出演:リサ・ラーソン、グンナル・ラーソン、マティアス・ラーソン、エミリア・エクマン・ラーソン、フランコ・ニコロシ 配給:ミモザフィルムズ シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国公開中

「週刊実話」10月15日号より

LiLiCo(リリコ)

映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。