佐野海舟が体現する「実力と過去」のジレンマ 代表復帰を巡る賛否と現在地

実力と過去の熱視線!

北中米W杯後、初の活動となった9月24日のウルグアイ戦(キリンチャレンジカップ)。第3次森保体制のもと、日本代表は3-1で勝利したが、中盤で存在感を放ったMF佐野海舟(マインツ)への視線は、単なる技術評価にとどまらない。

FC町田ゼルビア、鹿島アントラーズを経て2024年夏にブンデスリーガへ渡った実力派だが、渡独直前に浮上した不同意性交容疑で逮捕された過去は、活躍のたびに繰り返し呼び起こされる。不起訴から2年以上が経過した今もなお、なぜ彼は代表の中心であり続けるのか。

割れた採点

ウルグアイ戦における佐野の評価は、媒体によって対照的だった。あるサッカー専門メディアは5段階評価で最低クラスの2をつけ、失点につながった連係ミスについて厳しく指摘した。一方、別のスポーツメディアの採点では10点満点中6.5とし、「攻守で存在感を発揮」と評価している。

ボール奪取力という持ち味は健在だが、守備の綻びをどう見るかで評価が分かれる選手でもある。森保監督にとっては、新体制で誰を中心に据えるかを見極める第一歩でもあった。

では、なぜ佐野は現在も日本代表に呼ばれ続けているのか。その背景には、2025年5月の代表復帰おいきさつがある。

異例づくしの復帰劇

代表復帰が決まったのは2025年5月23日。会見で日本サッカー協会の山本昌邦ダイレクターは、差別やハラスメントは一切許容しない姿勢を強調した上で、①当事者間で話し合いをしたことを確認、②本人が深く反省していること、③不起訴処分により刑事事件として罪に問われていないこと、の3点を招集理由に挙げた。

またこの際、森保監督は「再チャレンジする道を与える」と説明し、本人と直接連絡を取って反省の姿勢を確認したことも明らかにしている。

佐野自身も同月末の取材に応じ、「賛否はもちろんある」と述べた上で、プレーと行動で示していく考えを語ったものの、代表復帰を巡っては現在も賛否が報じられている。その判断の背景を理解するには、2024年にさかのぼる必要がある。

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