市川團十郎「襲名」をなぜ今さら映画化? ベネチア受賞でも拭えない“4年遅れ”の違和感



6歳のはずが9歳に…延期が生んだ副産物

もっとも、この“4年遅れ”は悪いことばかりではなかったようだ。皮肉なのは、このタイムラグが結果的に映画に厚みを与える結果となったからだ。

「予定通り2020年に襲名していれば、共に初舞台を踏むはずだった長男・新之助は当時まだ6歳前後で予定されていた。それが延期のおかげで実際の襲名は2022年、新之助9歳のときにずれ込んだ。この年齢差が単なる儀式の記録ではなく、親子の“成長の記録”という側面を帯びることになったのです」(同)

『世界の團十郎』という呼び方には、『なんか、それ軽いですよ(笑)』と返した本人と、時代に翻弄されながら仕上がった4年越しの記録映画。作品の出来栄えとともに、この温度差にも目を向けてみたい。

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