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『ニジマス』埼玉県横瀬町/あしがくぼ渓谷国際釣場産~日本全国☆釣り行脚

日本全国釣り行脚(C)週刊実話

ワタクシ、気がつけば四十路も半ばを迎えております。すっかりオッサンとしての熟成が進んで、ものぐさになっているらしく、「どこか釣りには行きたいのだけれど、道具を担いで歩くことを考えると億劫になる」なんてことは、しょっちゅう。若いときは思い立ったら居ても立ってもいられなくなり、重たい道具を背負ってどこにでも出かけたものですが…。まぁ年は取りたくないものです。

で、すっかりものぐさが身に付いてしまったオッサンが考えることは、「何とか楽をすること」のみ。ごく軽装で、もっと言えば手ぶらでも楽しめる釣り場なんてないかしら?

そんなよこしまな考えで出かけた先は、埼玉県の秩父エリア。当地にある有料のマス釣り場に行くことにしました。我ながら何と安易な考えかと呆れるところですが、その数秒後には「まぁ、いいか…」と開き直ります。これでいいんです。

さて、先だっての桐生釣行でも清流らしい涼感ある釣りを楽しめたのですが、釣れたのがアブラハヤでは…。やっぱりちょっと欲求不満だったわけです。

ということで、大都会・池袋から西武線を利用して秩父方面を目指します。途中、飯能駅で西武秩父線に乗り換え、旅愁溢れるボックス席を確保。電車は清流に沿って山を登っていき、その風景を車窓から存分に楽しみます。

丸見え状態で「こりゃ楽勝」と思いきや…

最寄り駅の芦ヶ久保駅から10分ほど歩き、目的地の『あしがくぼ渓谷国際釣場』に到着です。

(C)週刊実話

受付にて1時間コースの釣り券と貸し竿、エサを購入して、いざ釣り場へ。ここは、横瀬川の流れを利用した釣り堀でありながらも場内はしっかりと整地され、足場がよくお子さま連れにも安心の釣り場。それゆえ休日には多くのファンが訪れるのですが、平日釣行が幸いしてかなり空いておりました。

さっそくものぐさなオッサンっぷりを発動して、受付近くに釣り座を構えて準備開始。すると、係員さんが数尾のニジマスを放流してくれました。

「こりゃ楽勝!」

釣れたも同然の軽い気持ちで、ニヤニヤしながらエサのイクラをハリに付けて流します。

(C)週刊実話

清冽な流れの中に放たれたニジマスですが、なんともボーッとした感じで流れにたたずんでおります。その様子が丸見えなので鼻先にエサを流してやりますが、なぜか口を使いません。そこでウキの位置をズラしてやり、エサが底近くを流れるようにしたところ、ウキに反応が出ました。

小気味よい手応えで釣れたのは…、ウ、ウグイ?

(C)週刊実話

天然河川を利用した釣り場ゆえ、元々生息していた魚も混じります。何とも拍子抜けですが、これはこれで自然が感じられて楽しいものです。

「次こそニジマスを!」

気合を入れて仕掛けを流していきますが、見える魚は無反応です。

自然の中で食う焼魚と酒は激旨!

「この見えるヤツに惑わされてはイカン!」

いったんこの魚を見切り、隣の流れ込みに狙いを移すことにします。直近の放流はされていないものの、放流されてから時間が経って川になじんだ魚が着いているはずです。

(C)週刊実話

そう信じて仕掛けを流していくと「ポワン、ポワン、スーッ!」とウキが沈みました。手首を返して竿をあおると、ウグイよりはるかにパワーのある手応え。ようやく本命のニジマスです。

釣ったニジマスは係員の手によって下処理がされ、併設の食堂にて1尾100円で塩焼きにしてくれます。まさに手間いらずです。

食堂のテラスに出て山々を眺めつつ、清冽な空気のなかで釣りたて&焼きたてのニジマスを頬張りながら缶ビールを流し込む。く~っ、タマラン!

(C)週刊実話

こんなお気軽&お手軽な釣りも、たまにはいいもの。真夏でも爽やかな山の空気と涼やかな川のせせらぎ、そして釣りたての渓魚を堪能する時間は実に贅沢なものです。今回も実に満足なお出かけでありました。

ところでワタクシ、長らく疑問に思っていることがひとつあるのです。

今回訪れたような有料のマス釣り場は〝国際〟と名の付く施設が多いのですが、これはナゼなのでしょう?

ニジマスが外来魚だからかしら?

まぁ、いいか…。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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