三連覇ソフトバンクにセ・リーグ覇者は勝てるのか… 阪神・巨人が挑む勝機とは

 



巨人は「田中」、阪神は「高橋」がソフトバンク攻略のキーマンとなる!?

 ◆ 阪神なら「先発3本柱」で鷹を止める! キーマンは「14勝」の髙橋遥人


ここで浮上するのが阪神の先発陣だ。村上頌樹は防御率1.92、髙橋遥人は1.99、才木浩人は2.34。髙橋は14勝3敗、才木は170奪三振を記録している。さらに阪神のチーム防御率は2.82。四球も289個と、セ・リーグでは最も少ない。

ソフトバンクを相手にする場合、阪神の狙いは「打ち勝つ」だけではない。近藤、栗原らに大きな連打を許さず、下位打線との勝負でアウトを重ねる。そして少ない失点で試合を終盤まで持っていく。阪神には、その形を作れる先発投手がそろっている。

その中でも、阪神のキーマンとして名前を挙げたいのが髙橋遥人だ。14勝3敗、防御率1.99。ソフトバンクの強力打線を相手にするなら、先発投手がどこまで試合を作れるかが重要になる。髙橋が序盤から近藤、栗原らを抑え、試合をロースコアに持ち込めれば、阪神の戦い方は見えてくる。もちろん、村上や才木の存在も欠かせない。ただ、阪神の「先発力」を象徴する存在として、髙橋の投球は日本シリーズを想定した場合の大きなポイントになる。

もっとも、ソフトバンク攻略で簡単に答えが出ないのが近藤だ。打率.306、出塁率.428。単純に「近藤を抑えればいい」とはいかない。勝負を避けて歩かせれば、後ろには37本塁打111打点の栗原が控える。つまり、「近藤を歩かせれば安全」というほど単純ではない。

阪神にとっては、どのカウントで勝負するのか、どこまでストライクゾーンで攻めるのか。一打席ごとの駆け引きが重要になる。

◆ 巨人が狙うのは「先発の層」! 終盤は「42HP」の田中瑛斗へ


一方、巨人が突きたいのはソフトバンクの先発陣だ。ソフトバンクには安定した先発投手がいる一方、シーズン成績を広げると、スチュワート・ジュニアは防御率5.23、徐若熙は4.99。先発の枚数を広げたとき、防御率5点前後の投手もいる。

もちろん、日本シリーズで誰が第4戦、第5戦の先発を務めるかは別問題だ。それでも7戦制の短期決戦では、先発の枚数が重要になる。巨人が狙うとすれば、ソフトバンクの救援陣と勝負する前に、先発を早いイニングから攻めることだ。相手先発の球数を増やし、走者を出し、長いイニングを投げさせない。そうなれば、ソフトバンクの救援陣が通常より早い段階から登板する展開も考えられる。

そして、巨人の戦いを左右する存在として注目したいのが田中瑛斗だ。42ホールドポイント、防御率1.60。巨人がソフトバンクを相手にするなら、いかに接戦を終盤まで持ち込み、田中らの救援陣につなぐかがポイントになる。

ソフトバンク打線を完全に封じ込める必要はない。先発が試合を壊さず、田中瑛斗につなぎ、最後はマルティネスへ――。そんな形に持ち込めれば、巨人が持つ救援陣の力を生かせる。マルティネスも40セーブ、防御率1点台前半と安定した数字を残している。

巨人にとって田中瑛斗は、単なる中継ぎの一人ではない。「終盤の勝負」に持ち込むための重要なピースだ。


◆ 「暴投31・ボーク7」も短期決戦では無視できない


ソフトバンクの投手陣で、もう一つ目を引く数字がある。暴投31、ボーク7だ。

チーム防御率2.90という高い投手力を誇る一方、暴投やボークも記録されている。もちろん、この数字だけで「ソフトバンクは自滅しやすい」と断定することはできない。

ただ、短期決戦では一つの進塁、一つのミスが得点に直結する。走者を出した後に盗塁を仕掛ける。クイックや牽制を意識させる。球数を投げさせる。そうした小さなプレッシャーを積み重ねれば、シーズン中には大きな問題にならなかったミスが、1点を争う試合で意味を持つ可能性はある。

◆ 阪神は「髙橋」、巨人は「田中」――攻略ルートは違えど、狙うは「強さの分断」


ここまでを見ると、阪神と巨人ではソフトバンクへの攻め方が違う。

阪神の武器は、村上、髙橋、才木を中心とした先発投手陣。その中でも髙橋遥人がキーマンになる。一方の巨人は、先発を攻略して終盤に持ち込み、田中瑛斗、マルティネスらの救援陣につなぐ形が見えてくる。

つまり、阪神は「先発でソフトバンクの得点力を抑え、少ないチャンスをものにする」。巨人は「先発を攻略し、田中瑛斗らを経て終盤の救援戦に持ち込む」。同じ「鷹狩り」でも、攻略ルートはかなり違う。

ソフトバンクは84勝47敗3分、勝率.641。チーム防御率2.90という数字を見ても、一つの弱点を突いただけで崩れるようなチームではない。だからこそ、阪神や巨人に求められるのは、ソフトバンクを完全に封じ込めることではない。

下位打線でアウトを積み重ねる。近藤らの出塁を最小限にする。先発の層に生じる隙を突く。走者を出してバッテリーにプレッシャーをかける。そして、阪神なら髙橋らの先発陣、巨人なら田中瑛斗らの救援陣という、それぞれの武器を最大限に生かす。

阪神と巨人の優勝争いはゲーム差なし。どちらがセ・リーグを制して日本シリーズへ進むのか、まだ決着はついていない。その先に待つのは、84勝を積み上げたソフトバンクだ。

果たして、セ・リーグの覇者は阪神になるのか、巨人になるのか。そして、そのチームは84勝の“鷹”に対して、どの急所を突いてくるのか――。

日本シリーズが実現すれば、単純な「強い者同士の殴り合い」ではなく、ソフトバンクの強さをどこまで分断し、自分たちの勝ちパターンに持ち込めるか。その駆け引きが大きな見どころになりそうだ。

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