昭和の失言、令和のセクハラ炎上を乗り越えた田原俊彦“不屈”のエンターテイメント【スター失言史第9回】

バッシングと表舞台からの後退

この発言を機にメディアの対応は一変し、田原のテレビ出演の機会は激減。長期間にわたって表舞台から遠ざかる「冬の時代」を迎えることとなった。

それから約30年の時を経た2025年6月15日。再び彼の「言葉」がネット上で大きな議論を呼ぶ一幕があった。

TBSラジオの生放送番組『爆笑問題の日曜サンデー』にゲスト出演した際のことである。気心の知れた爆笑問題との軽妙なトークの中で、田原は不適切なセクハラ発言を連発し、揚げ句には女性アナウンサーの手を触るなどの行為に及んだのだった。

田原が生放送中に不適切な言動に至ったのは、放送前日の14日に行われたJ1の横浜FC対川崎フロンターレ戦のハーフタイムに登場し、キレのあるダンスや足上げを披露したことを聞かれた際のことだった。

TBSの山本恵里伽アナから「昨日はこんなに足上げたんですか?」と聞かれると、田原は「真ん中の足はもっと上がるんだけどね」と男性器を想像させる下ネタを披露し、さらに「カッチカチや!」と暴走。その後、「無視します」と拒絶した山本アナの手を触ったという。

TBSが謝罪、広がる各方面への影響

生放送という特性もあり、その発言はリアルタイムで拡散され、ネット上では「時代錯誤ではないか」といった厳しい声が上がることとなった。TBSラジオは6月20日に公式に謝罪を発表し、田原へ再発防止を申し入れた。NHKの音楽番組への出演予定も取り消されるなど、影響は各方面へ広がりを見せた。

スポーツ新聞の芸能担当記者は、新旧2つの騒動をこう分析する。

「1994年の時は、メディアの力によってイメージが固定化されていきましたが、2025年の騒動は現代特有の『SNSによる即時拡散』が背景にあった。昭和の破天荒なスター像のまま令和の生放送に臨むことの危うさが露呈した形です。田原は翌週のイベントで謝罪コメントを発表し、爆笑問題の太田光も自身が発言を誘導した部分があったと釈明しましたが、反省が不十分との批判も根強く、芸能界での信頼回復にはなお時間を要する状況です。この騒動は、発言者の年代を問わず、公の場での言葉の責任を改めて問うものとなりました」