現役時代はマックも禁止だった元組員、今や週5でファミレス通い【裏社会のグルメ事情・前編】

出所直後に向かった思い出の食堂――変わらぬ味と匂い

映画『幸せの黄色いハンカチ』で出所直後の主人公が食堂でメシを掻き込むシーンは有名ですよね。主演の高倉健は2日間絶食して撮影に臨んだとかで、また美味そうに食うんです。

けど、実際にアレは稀なんです。酒もタバコも禁止されている刑務所では、甘味だけが唯一の嗜好品で、もはや依存症になるんです。僕の知る限り、受刑者はとにかくデザートやスイーツに飢えていますから、出所直後はコンビニのソフトクリームやミスドを爆食いする人も少なくない。即座に食堂に飛び込んだ者の例など、最近じゃ聞いたことがないですね。僕以外は。

というのも、僕には今は亡き母とガキの頃から通った思い出の食堂があって、出所したら真っ先にそこに行こうと決めていて。実際に口にした時には、本当に涙が出ましたね。

何十年ぶりに食べてまったく変わらない味はもちろんのこと、その店の「匂い」すら身体が覚えているんです。以来「もう二度と刑務所には戻らない」という初心を忘れないよう、事あるごとに一人でこの店に通っています。

もちろん、高倉健を気取って2日間は絶食。そしてカツ丼と醤油ラーメンをビールで流し込む。どんな高級なメシより僕には格別ですよ。

と とはいえ、これも時代の流れなのか、店員の顔ぶれも当時とはすっかり変わった。店の雰囲気こそ変わってきたものの、それでも味も匂いもガキの頃から変わらない気がするんだが、最近ではさすがに自信がなくなってきましたよ。

【裏社会のグルメ事情・後編】へ続く

【関連】キャバクラ離れの裏でコンカフェが急増中 過当競争が生みだした"グレー営業"の実態
【関連】マンガワン問題だけじゃない…関係者が告発するマンガ業界の知られざる闇【マンガ業界の深淵・前編】

『週刊実話 ザ・タブー』10月8日号より