岡本和真の32号快挙、巨人ファンが素直に喜べない皮肉

手放しでは喜べない!?

ブルージェイズの岡本和真(30)が9月13日(日本時間14日)のオリオールズ戦で32号ソロを放った。

5回に2ストライクからファウルで粘り、フルカウント9球目の直球を左翼席へ運ぶ会心の一撃。これで、あの松井秀喜氏がヤンキース時代の2004年に記録したメジャー自己最多の31本塁打を追い抜いた。日本人右打者としては鈴木誠也(カブス)が2025年に樹立した32本にも並び、新人ながら本塁打・打点(85)の球団2部門で新人記録を更新するというおまけつきだ。

ブルージェイズはこの試合、2番スプリンガー、3番ゲレロJr.に続く3者連続本塁打で8-1と快勝し、勝率5割に復帰。ポストシーズン争いに踏みとどまった。

普通ならここは「岡本、松井超え!」と手放しで盛り上がる話だ。だが、この一報を素直に喜べない巨人ファンも少なくないという。

巨人が手放した"最大の主砲"

岡本は智弁学園から14年のドラフト1位で入団し、18年に史上最年少で3割30本100打点を達成。以降は6年連続30本塁打、本塁打王3度という球団の顔だった。

それほどの主砲を、巨人は昨オフ、ポスティングシステムによるメジャー挑戦を認め、ブルージェイズへ移籍させている。契約は4年総額6000万ドル(約94億円)、巨人に入る譲渡金は約16億9000万円と報じられた。

全盛期のスター選手をポスティングにかけるのは球団史上でも異例とされ、当時は驚きをもって受け止められた。しかも同じオフには、長年エースを張ってきた菅野智之もオリオールズへFA移籍。「主力の相次ぐ流出」という表現がやけにしっくりくる冬だった。

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皮肉なのは"今の巨人の順位"

巨人にとって皮肉なのは、岡本が抜けた後のチームの現在地である。セ・リーグは阪神が首位を走り、13日終了時点での優勝マジックは16。前日12日の直接対決を巨人が制し、ゲーム差を0.5まで縮める展開はあったものの、13日は両者ともに黒星に終わった。


また、14日には阪神は中日に0ー6で敗れ6連敗を喫したが、巨人も延長12回の激闘の末、DeNAに4-3とサヨナラ負け。ゲーム差はそのままだったが、阪神のマジックは「15」となった。優勝争いのまっただ中にありながら、なかなか首位に立てない巨人には、「岡本がいれば、もっと楽に優勝争いできたのでは」という嘆きも聞かれる、とあるスポーツ紙デスクは明かす。

すでに"大谷超え"は果たしている

ちなみに岡本は、すでに大谷翔平超えを果たしている。7月24日(日本時間25日)の23号で、2018年に大谷(当時エンゼルス)が記録した日本人メジャー1年目最多本塁打の22本を更新済みだ。

直近6試合でも4本塁打とペースを上げており、次に見えてくるのは大谷が2022年に放った34本塁打というラインである。かつて巨人の4番として君臨した男が"大谷超え"を重ねるたびに、「なぜあの主砲を手放したのか」という古傷が疼く巨人ファンは増えていきそうだ。

32号という記録は、岡本個人にとっては誇らしい一歩だが、巨人にとっては"埋まらない穴"の大きさを改めて突きつけられる一撃にもなっている。

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