「今日、明日に死んでもおかしくない」ロシア軍の日本人兵士が語る“最前線の地獄”

『ロシア軍の日本人兵士 最強の特殊部隊「アフマット」で見た地獄』講談社、1,800円(本体価格)、著者:金子大作

『ロシア軍の日本人兵士 最強の特殊部隊「アフマット」で見た地獄』講談社、1,800円(本体価格)、著者:金子大作
かねこ・だいさく:1975年、大阪府生まれ。20代で大阪府内に板金塗装会社を設立。2000年代初頭の「VIPカーブーム」に乗り財を成した。2023年8月にロシアへ渡り、外国人傭兵部隊「ピャトナシュカ旅団」に狙撃手として採用。現在は特殊部隊「アフマット」に所属する。

48歳で戦場へ向かった理由

──外国人義勇兵として、ロシア軍に入隊するきっかけは何だったのですか?
金子 ロシア・ウクライナ戦争が始まり、タイメディアの報道を見てロシアに利するところがあると感じました。日本政府はどんな状況でもアメリカ側につく。その悔しさと、48歳で「十分すぎるほど長く生きた」という思いが重なり、戦う決意をしました。

──現地ではどのような戦闘が繰り広げられているのでしょうか?
金子 白兵戦ではロシアが確実に強い。私の所属するアフマットはチェチェン・シリア・アフリカ内戦を経験した歴戦の兵士ばかり。ロシア軍は今も主に志願した契約兵で構成されており、動員兵は最前線には配置されません。それだけでも我々とは士気が違うと思います。熱感知カメラやドローンで動きは筒抜けの中、要塞化した敵陣への深夜の突撃作戦に自ら志願しました。10人で匍匐前進すると周囲が明るくなるほど銃弾や砲弾が飛び交った。それによって敵の砲撃能力と人員配置のデータが取れ、要塞陥落に成功しました。クルスクでは西側最新兵器の物量と各国傭兵の特殊戦術に苦しみ、補給も遮断された孤立状態での戦闘も経験しました。

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戦況を変える「カミカゼドローン」

──ドローン攻撃はどのように行われているのでしょうか?
金子 私が操縦したのはRPG弾頭を装着したクワドロコプターで、敵兵に衝突させて自爆させるカミカゼドローンです。偵察・監視・攻撃まで果たすその役割は極めて大きい。敵地の建造物や人員の動き、味方の攻撃による損害状況をリアルタイムで確認し、敵の兵站ルートや物資量まで把握したうえで、即時破壊します。技術革新も目覚ましく、現在の無線型ドローンは数十㌔先まで飛ばすことができます。

──今後、ロシアのウクライナ侵略はどうなると思いますか?
金子 ロシアが「特別軍事作戦」から「戦争」という呼称に切り替えました。敵はもはやNATOで、資金をはじめあらゆる面で先に音を上げるのはどちらかという局面だと思っています。戦争がどう終わるかは誰にも分かりませんが、私は戦争終結まで戦い続ける。正義を振りかざしながら、終戦を待たずに帰国したウクライナ軍の日本人義勇兵たちと同じ轍は踏まない。今日、明日に死んでもおかしくないと思っているし、戦後までのうのうと生きていられるとも思っていません。生き恥を晒すぐらいなら、侍のように腹をくくって散りたい。それだけが自分自身に課した一つの矜持です。
(聞き手/程原ケン)

「週刊実話」9月10日号より