デーブ・スペクター「マラソンやチャリティの意味が分からなくなった」3.9万いいねの大反響——日テレ『24時間テレビ』に刺さる“一撃”と消えない「感動への違和感」

デーブの一撃が3.9万いいね!皮肉がここまで人々に刺さる理由とは

夏の風物詩『24時間テレビ』(日本テレビ系)の放送が終わった直後、SNS上はある男の“一撃”をきっかけに大きな騒ぎとなった。投稿主は、テレビプロデューサーでタレントのデーブ・スペクター。毎年同番組の裏で容赦なく放たれる彼の毒舌ツイート(現X)が、今年もドデカい数字とともにネット上を熱狂させているのだ。

デーブは8月30日にXを更新すると、「すみません!英語はもともと苦手なんですが、『24時間テレビ』を見てるとマラソンやスポンサーやチャリティの意味が分からなくなった」と投稿。

一見すると自虐交じりのギャグのようだが、番組の根幹を皮肉ったこの身も蓋もない一言に対し、「毎年のお約束!」「デーブさんがこれを言うのがすごい」といった反応が相次ぎ、投稿は9月1日時点で208.2万表示、3.9万いいねを突破した。

◆ 「アメリカならあり得ない」日テレに突きつけ続けるデーブ毒舌の系譜

実はこのデーブによる『24時間テレビ』へのツッコミ、今に始まったことではない。ネット上ではもはや「夏の終わりを告げる風物詩」としてすっかり定着している。

その過去の“戦歴”を振り返ると、実に痛烈だ。2017年には「アメリカのチャリティ特番はノーギャラ・ノーCMが当然」と本場の基準を引き合いに出して日本の感動ビジネスを痛烈に皮肉り、2018年には「東京五輪ボランティア」の無償労働問題と絡めて日テレの姿勢をチクリ。

2019年には「出演者を寝かせないのは働き方改革違反」と、世の潮流を盾に番組のゴリ押し演出をぶった斬ってきた。

単なる言いがかりではなく、誰もが「確かにな……」と納得してしまう絶妙な裏側を突いてくるからこそ、視聴者はデーブの投稿に狂喜乱舞するのだ。

◆ 10年前、NHK『バリバラ』が突きつけた「感動ポルノ」という問い

なぜ彼のたった一言が、これほどまでに多くの人々の心に刺さるのか。その背景には、長年にわたって視聴者の胸に蓄積されてきた「感動の押し売り」に対する強い違和感がある。

実は、このテレビ界が作る“感動の構造”に一石を投じた試みは過去にも存在する。今からちょうど10年前の2016年8月28日、NHK・Eテレの障害者情報番組『バリバラ』が、24時間テレビの放送真裏で「検証!『障害者×感動』の方程式」と題した生放送を実施した。

番組では、障害者が健常者に感動を与えるための道具にされる構造を「感動ポルノ」と呼ぶ概念を紹介。テレビ局が仕立てがちな「大変な日常→悲劇→仲間の支え→ポジティブに生きる=感動」というお仕着せの制作プロセスをユーモア交じりに検証し、当事者へのアンケート結果なども交えながら、メディアが作る感動演出のあり方を問い直して大きな話題となった。

デーブが長年投げかけてきた皮肉も、こうしたテレビが作り出す「感動」に対して視聴者が抱いてきた違和感と重なる部分がある。だからこそ今回の投稿も、これほど多くの共感を呼んだのかもしれない。

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