田中将大「日米200勝」は最後の偉業か、次の200勝投手はいるのか【名投手の勲章・後編】

◆現役最多188勝・石川雅規の「最後の挑戦」

石川雅規が最も200勝に近い男

ちなみに、2026年8月時点で現役最多勝を誇るのは、46歳ながら現役続行を表明しているヤクルトの石川雅規の188勝で、実働期間は2002年から現在までの24年(プロ25年目)、通算550試合に登板している。

残り12勝──。数字だけ見れば容易そうだが、現実は厳しい。すでに40代半ばのベテランが年間10勝以上を挙げ続けることがいかに困難か、ファンはよく知っている。

また、これに続くのが41歳の楽天・岸孝之の172勝、40歳の中日・涌井秀章168勝だが、4位以下は阪神・西勇輝127勝、巨人・田中将大125勝、楽天・則本昂大122勝と、大台まではるか遠い数字が並ぶ。

山本昌は最年長勝利記録を塗り替え、NPB史上初となる50歳代での登板を花道に引退したが、40代の石川・岸・涌井に残された時間は少なく、その他の投手には遠い道のりであることが浮き彫りとなっているのだ。

◆「次の200勝投手」は現れるのか

翻れば金田正一、稲尾和久、山田久志、工藤公康、通算219勝を挙げた山本昌──200勝という金字塔を打ち立てた史上最高の投手たちは、いずれも"時代の証人"として球史に刻まれている。

だが、多くの選手が30、35歳で体の変化という壁にぶつかることから「強靱な体と精神力、技術がないと200勝はなかなか難しい」と球界の識者は口をそろえる。

200勝への道は、分業制の壁とMLB流出という二重の壁に阻まれ、かつて昭和の怪物たちが当前のように目指した「投手の勲章」を手にすることが極めて難しくなっているのだ。

それでも、あの頃の"怪物投手"たちが残した数字と記憶は、時代を超えて輝き続ける。野球ファンが「史上最高の投手」を選ぶとき、彼らの名を口にするとき、そこには単なる勝利数への敬意だけでなく、二度と現れないかもしれない"怪物の時代"への深い郷愁がある。

200勝投手が再び誕生する日は来るのか。2026年の後半戦が、その行方を占う試金石だと言えるだろう。

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