死者10人・放置車両2700台の千葉豪雨で「車沈んでます!」 TikTok動画に怒りの声…災害を“バズネタ”にするモラル

冠水した道路で楽しげにダンスを繰り広げる女性2人のTikTokが大炎上
千葉県内で記録的な大雨による被害が広がった8月、SNSに投稿された1本の動画が物議を醸した。

《蘇我駅です!!みんなたのしもーーう!!海できてます!車沈んでます!》

ハッシュタグには「#万バズ」「#あたおか」といった言葉が並び、冠水した道路で女性2人が楽しげにダンスを繰り広げる姿が映し出されている。

この投稿に対し、ネット上では「被害が出ている最中に不謹慎だ」「安全面からも危険すぎる」と批判が相次ぐ事態となった。

甚大な豪雨被害のさなかで投稿されたダンス動画


今回の豪雨では、千葉県内で記録的な大雨が観測され、県内全域で深刻な被害が発生した。

床上・床下浸水は合わせて約1500棟に達し、放置車両は約2700台に上って交通網は麻痺。JR蘇我駅周辺でも約4000人が帰宅困難となり、自衛隊による輸送支援が行われた。さらに水没した車内からの逃げ遅れなどにより、千葉市内で4人、佐倉市で2人など、県内では計10人が命を落とす事態となっている(8月17日時点)。

問題の動画が撮影・投稿されたとみられるのは、まさにこうした被害や救助活動が進行していたタイミングだった。

JR蘇我駅前の深く冠水した道路で、膝下まで濁水に浸かりながら踊る映像には、冠水した状況を「海」、水没した車両を「車沈んでます!」と表現するテキストが添えられていた。

動画がX(旧Twitter)などに転載・拡散されると、「人が亡くなっている現場で不謹慎すぎる」「人の生命や被害を軽視している」と激しい批判が集中。事態を受けて、投稿アカウントは非公開となった。

不謹慎批判にとどまらない「危険性」の指摘


今回の投稿を巡っては、単なるモラルやマナーの観点だけでなく、安全面における極めて高い危険性を指摘する声も多い。

大雨による冠水道路では、水圧によってマンホールの蓋が外れるケースがあり、水面下に目視できない危険な穴が潜んでいる可能性がある。実際に過去の豪雨災害でも、冠水路を歩いていた市民がマンホール等に吸い込まれて死亡する事故が発生している。

投稿者本人が被災者だったのか、どのような経緯で撮影に至ったのかなど詳細な事情は明らかになっていない。

しかし、死者が出ている非常事態のさなかで、冠水道路へ立ち入り「バズる動画」の舞台として発信されたこの投稿は、災害現場における行動のあり方や、SNS時代における情報発信のモラルという重い課題を改めて浮き彫りにしている。

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