「会社が人生の全てではない」アドラー心理学に学ぶ“仕事に疲れた人”の生き方

『なぜ仕事ができる人はアドラー心理学を実践しているのか』かや書房 1,600円(本体価格)著者:小泉健一
こいずみ・けんいち:1988年生まれ、神奈川県出身。作家、ライフコーチ、会社員。早稲田大学卒業後、2011年に食品メーカーに入社。営業職をするかたわら、コーチングやアドラー心理学について学ぶ。

他人の評価より「自分の本音」に目を向ける

──そもそもアドラー心理学とは、どのような考え方なのでしょうか?
小泉 私は、幸せになるための考え方だと思っています。幸せの形は人それぞれ違い、万人に共通するものはありません。でも、自分にとって何が幸せなのか、案外自分でも分かっていない人が多いんですよね。アドラー心理学には、自分の価値観や目的を見つけるのに役立つ理論がたくさんあります。自分が本当は何をしたいのか、どうありたいのか、そして自分にとっての幸せとは何なのか。それを見つける手助けをしてくれるのです。

──マインドフルネスとの共通性を指摘されていますね。
小泉 マインドフルネスとは、「今ここ」に集中して、自分の状態をありのまま受け止めることです。現代の日本人は、他人からの評価や過去の失敗を気にしすぎて、自分の本音に気づけないことが多い。アドラー心理学も、「過去にとらわれず、人は今この瞬間から変わることができる」という考え方がベースにあります。マインドフルネスもアドラー心理学も、自分自身に集中するために必要な理念です。実践することで自分の本音に気づき、自分のために行動できるようになります。

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「会社以外の居場所」が心をラクにする

──仕事で疲弊している会社員は、どのような心構えが必要でしょうか?
小泉 会社が人生の全てではありません。私自身、会社以外の居場所を見つけられたからこそ、メンタルが安定しました。会社では、自分の本音を押し殺さないといけない場面もあるでしょう。そんなとき、会社以外の居場所があれば、「会社にいる自分」を俯瞰して見ることができます。「案外、自分の悩みは大したことないな」と安心できることもあるはずです。自分をありのまま観察するマインドフルネスは、居場所を見つけることでも実感できます。ぜひ、試してみてください。

──悩みに振り回されないためにはどうしたらいいのでしょうか?
小泉 まず、「悩みに振り回されてはいけない」という考え方を捨てましょう。マインドフルネスとは、「善悪の判断をせずに、ありのままの自分を受け入れること」です。悩んでいることも、今のあなた自身です。「自分はどう感じていて、何をしたいのか」を考えてみましょう。ポイントは、事実と感情を切り離して考えること。そこからどう感じ、どう動くかは、今のあなたが決められます。それを見つけるためにも、アドラー心理学をぜひ学んでみてください。
(聞き手/程原ケン)

「週刊実話」8月20・27日号より