「まさか自分でこんなお店をやるとは」横浜DeNAベイスターズにハマった会社員女性の急転人生【死ぬ前にやっておくべきこと】

ベイスターズカフェ&バー『スターエール』(C)週刊実話Web

絶好のチャンスに人生を懸ける

彼女がこのカフェのオーナーになったのは、急展開になるだけの事情があった。

「一目惚れでした」

セツ子がそう語る、店の中央にどーんと鎮座する165㌅の超巨大モニター。この大画面でベイスターズ戦の中継を流すのだが、選手が等身大以上に映し出されるこの迫力は尋常じゃない。スピーカーはフロントにヤマハが2つ、天井にBOSEが5つ配置された音響も含め、個人で“試合を観る”という視聴環境においては、今年の春にハマスタ横に開業した「THE LIVE」を凌ぐかもしれないと思わせる、感動モノの迫力だ。セツ子がこのモニターを見て、想像力が爆発してしまったというのも無理はない。

「この物件が居抜きのまま貸し出されているのを見つけてしまったのが今年の2月のことでした。このモニターを見て『この大画面でベイスターズ戦をみんなで観られたらどれだけいいだろう…』と、ついよからぬことを考えてしまったんですね。私自身は東池袋の会社で仕事をしているので、ハマスタに行けるのは月に1回程度。「東京でベイスターズの試合を思い切り応援できる場所があればどれだけいいだろう…」という理想がどんどん膨らんで、おそるおそる問い合わせてみると、すでに申し込みが複数ありました。一応申し込んでみましたが、順番は4番手。入居は絶望的です。それでも、具体的に動き出してしまったことで『東京にベイスターズファンのお店を出したい』という思いはどんどん強くなってしまい、店舗探しをはじめることにしたんです」

しかし、店探しは想像以上に難航した。池袋など繁華街の家賃はおそろしいほど高く、外れにあるお手頃な店舗を見つけても「声を出してはいけない」「お酒を出してはいけない」「22時には閉店しなければいけない」など、スポーツカフェをやるには貸出条件の制約が厳しすぎた。

しばらくは無理かもしれない。そう諦めかけていたセツ子のもとに、あの申し込みをしていた大塚の大型モニターの物件から、「入居できるかもしれない」という朗報がもたらされた。

「あの物件に申し込んでいた上の三者が審査落ちとなったらしく、私に順番が回ってきたんです。願ってもないチャンスでした。でも、落選した人たちの理由の一つに“個人”の申し込みで、法人じゃないと審査に不利なことが分かりました。しかも急に回って来た話だったので、開店資金も間に合わない。追い詰められてしまった私は一大決心したんです」
 (中編に続く)

「週刊実話」8月20・27日号より