天ぷらで一杯がたまらない! 三鷹『すーさんち』は2000円で大満足の名酒場

店主いわく「こだわりが無いのがこだわり」だとか。

JR三鷹駅から少し歩くと、住宅街へ抜ける細い路地に小さな天ぷら屋が、ぽつんと明かりをともしている。

のれんをくぐると、どこか背徳的な高揚感が胸をくすぐる。天ぷらで酒を飲むという行為は大人の特権だからだ。

おつまみはおばんざいのように複数を選ぶシステムで、3品630円、5品950円もある。ドリンクメニューもチューハイ270円、生ビール420円と安い。

店主は一見コワモテだが、話し始めれば実に人懐こい。

「長いこと立ち飲みをやってたんで、気軽に入れる店にしたかった」とか。

カウンターに座れば、豊富な天ぷらメニューに圧倒される。品書きはまるで『耳なし芳一』である。

おつまみ4品(800円)。左上から時計回りに、豚ナンコツ塩煮込み、ハムエッグ、鶏レバーごま油漬け、大葉と塩昆布のポテトサラダ。豚ナンコツはコリコリ食感とうま味が抜群。ハムエッグは毎日注文する常連がいるという。ポテサラは塩昆布の味を大葉がキュッと締める。

つまみが少しずつ頼めるので、一人客はそこから始めるといい。

天ぷらの揚がる音を聞きながら、酒とつまみを楽しむのは至福のひとときだ。

つまみを数品注文すると、どれもうまい。聞けば独学というが、きっと研究熱心なのだろう。「常連さんほど天ぷらを頼まなくなるんですよ」と店主が苦笑いする。

左からエノキ、半熟卵、エビ、鶏ササミ、ナス。エビと鶏ササミは200円。他は140円。バナナやブロッコリー、豆腐といった変わり種の天ぷらもある。

「自分が好きなのは庶民的な店」と言う通り、値段は驚くほど手頃だ。天ぷら、つまみ、酒、2000円あれば十分に楽しめる。カウンターでは毎日のように通う常連が静かにグラスを傾けている。

「明日はあれを食べよう」

帰り道にそう思って、明日もまた、彼らの足はこの店へと向いてしまうのだろう。

『すーさんち』

『すーさんち』
東京都三鷹市下連雀3-19-16
営業時間:15時~23時
休み:日曜

撮影・文/キンマサタカ

週刊実話2026年1月1日号より
※情報は取材当時のものです

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