少女隊『FOREVER~ギンガム・チェックStory~』が映す“売れなかった名曲”の真価【スージー鈴木の週刊歌謡実話第42回】

サブスク時代にこそ聴いてほしい一曲

どう名曲かというと「都倉俊一の最高傑作」という意味での名曲。

山本リンダやピンク・レディーで語られる人で、最近では文化庁長官にまでのぼりつめたイケメン作曲家というイメージですが、もう一つの顔は「歌謡曲に洋楽のエッセンスを吹き込む達人」。

『FOREVER』をぜひ、サブスクや動画サイトで聴いてみてください。「あ、これ洋楽のカバーかな」と思われるはずです。からっと乾いて、つるっつるに垢抜けたハーモニーとメロディー。それでいてサビは異常にポップでアイドル歌謡としても成立している。

「何でこれが最高32位、3万枚しか売れなかったのだ」と、憤りに近い感情すら抱きますが、でも、売れなかったからこそ、42年後の今でもここで、真価を紹介する原稿を書けるのでラッキーっちゃラッキーか。

さて、この歌には個人的思い出があります。

私が出演していたBS12『ザ・カセットテープ・ミュージック』の「都倉俊一特集」で私がこの曲を推しに推し、共演しているマキタスポーツが「例えば誰に?」と聞いてきたので、その場のノリで、歌唱力で定評のあるアイドルグループ=まちだガールズ・クワイアに歌ってほしいと言ったのでした。

すると、あれよあれよという間に、某イベントで共演することとなり、私に向けて彼女たちが、この曲をなんと生で歌ってくれたのですよ。うれしかったな。

というわけで、売れたかどうかなんてどうだっていい。個人的な思い出も含めて、この曲は、私にとって永遠=FOREVERなのです。

「週刊実話」8月13日号より

スージー鈴木/音楽評論家

1966(昭和41)年、大阪府東大阪市出身。『9の音粋』(BAYFM)月曜パーソナリティーを務めるほか、『桑田佳祐論』(新潮新書)、『大人のブルーハーツ』(廣済堂出版)、『沢田研二の音楽を聴く1980―1985』(講談社)など著書多数。