出場回数は最多「41回」でも優勝はまだ 北海(北海道)の長く険しい道【夏の甲子園不滅の記録⑥】

画像はAIで生成したイメージ

夏の甲子園が幕を開けるたが、連載7回目で取り上げるのは、夏の甲子園「最多出場回数」を誇る北海(北海道)だ。その数は41回。2位の松商学園(長野)の39回を大きく引き離す歴代単独1位の数字だが、いまだ優勝旗を手にしたことがない。記録の重みと、いまだ叶わぬ悲願。この対比こそが、北海というチームの最大のドラマなのだ。

夏の甲子園不滅の記録⑤】を読む

100年以上、夢を追い続けた歴史

北海の歴史は1920年(大正9年)にさかのぼる。当時「北海中」として第6回大会に初出場を果たすも、初戦で長岡商業に4-7で敗れ初勝利は逃した。2年後の2回目の出場で名古屋商業を11対3で下し、ようやく初勝利を挙げる。それから100年以上にわたり、北海道の代表として何度も甲子園の土を踏み続けてきた。地方大会を勝ち抜く厳しさは年々増しているにもかかわらず、その出場回数を積み重ねてきたことこそ、この学校の地力の証である。

22年ぶりの初戦突破から見た決勝の景色

その北海の歴史の中で最大の輝きを見せたのが、2016年(第98回大会)だった。前年、甲子園初登板で1死も取れずに3失点という挫折を味わったエース・大西健斗が、リベンジを誓ってこの夏のマウンドに立つ。

1回戦では22年ぶりの初戦突破を果たし、勢いに乗ったチームは勝ち進んでいく。準決勝では、後にプロ入りする松尾大河・九鬼隆平を擁する難敵・秀岳館(熊本)を4対3の接戦で撃破。創部以来初めて、決勝の舞台に立った。北海道勢が決勝に進むこと自体が稀少な出来事であり、地元の盛り上がりは想像に難くない。

あと一歩で届かなかった優勝旗

迎えた決勝の相手は、今井達也(現・埼玉西武)を擁する作新学院(栃木)。それまでの4試合をすべて1人で完投してきた大西の疲労は、もはや隠せないところまで来ていた。4回、ついに踏ん張りきれず降板。チームは1対7で敗れ、37回目の出場で見た初めての決勝は、悲願達成とはならなかった。それでも、最多出場校が初めて見せた決勝の景色は、北海道中の高校野球ファンの胸に刻まれている。

【関連】村上宗隆のユニフォームがグッズ売上の57%を占める 復帰で再沸騰する"ムラカミ経済"