「不便な地方ほどインバウンドに選ばれる」日経発表の「アニメ聖地力ランキング」が示す観光の新常識

『ひぐらしのなく頃に』の舞台に景観が似た岐阜県・白川郷

「日本経済新聞社は、独自の指標を用いて全国160の自治体を評価した『アニメの"聖地力"ランキング』を発表した。1位に北海道洞爺湖町。2位に岐阜県白川村といった、いずれも主要国際空港から数時間かかる地方自治体が選ばれた。不便な地方が選ばれたのは、インバウンドのアニメ聖地巡礼の意識が変わったんです」(旅行ジャーナリスト)

訪日外国人の8.1%がアニメゆかりの地を訪問

観光庁の『インバウンド消費動向調査(2024年年次報告書)』によると、訪日外国人の8.1%が日本滞在中に映画、アニメゆかりの地を訪問したと回答しており、その人数は推計で約299万人とされる。

「'19年の同割合は4.6%だったことから、アニメツーリズムの需要は、コロナ禍を経て急速に拡大した。'25年には訪日外国人数が4268万人に達し、インバウンド消費総額も約9.5兆円と過去最高を記録。その要因の一つとして、アニメをきっかけに地方への誘客を促進させているからです」(同)

一般社団法人「アニメツーリズム協会」は、日本のアニメ作品をより高め、地域創生やインバウンド需要の創出に結びつけるべく、「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」を毎年公表している。

洞爺湖は「天体のメソッド」・白川村は「ひぐらし」の舞台

「日経のアニメ聖地ランキング1位の洞爺湖は『天体のメソッド』のモデル、2位の白川村は『ひぐらしのなく頃に』の舞台として設定された雛見沢村に景観が似ていることから、聖地巡礼の場としてインバウンド客が押しかけています。アニメ聖地巡礼は、有名な観光地で消費するのとは異なります。作品の世界への没入を目的にしているんです」(アニメライター)

アニメファンは、巡礼場所へのアクセスが困難であればあるほど、たどり着いた達成感が生まれ、その不便さがブランド価値をより高めているという。

スラムダンク聖地も悩む ゴミ・騒音などのオーバーツーリズム

「『スラムダンク』の聖地・鎌倉市も含め、静かな自然環境や手つかずの景観が魅力の地域では、住民がゴミ、騒音、交通渋滞、私有地への無断立ち入りなどのオーバーツーリズムに悩まされています」(同)
夏休みに入りアニメ聖地は、さらにごった返しそうだ。

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