1機800万円の安価なドローンにプーチンが戦々恐々…ウクライナが築いた「無人機大国」のリアル
ウクライナ製の自爆型ドローン「FP-1」「FP-2」が、ロシアを苦しめているという。製造コストは1機あたり約5万ドル(日本円で800万円前後)とされ、軍事ジャーナリストの中には「1000万円程度」という見方を示す者もいる。いずれにしても、大量生産が可能な低コストが最大の強みとされ、従来型の精密誘導兵器と比べて破格の安さと言えそうだ。
全国紙の外信部記者がドローンの調達先を解説する。
「これらのドローンを開発・生産するのは、ロシアのウクライナ侵攻が始まった2022年設立の同国の防衛企業『ファイアポイント』だ。2024年に政府契約を獲得して急成長し、2025年には従業員2200人規模、年間売上高1億ドル超に達したと伝わっている。注目の軍事企業なのです」
巡航ミサイルと攻撃機の長所を兼備
軍事ジャーナリストによれば、「FP-1とFP-2が優れているのは、巡航ミサイルのような長所と攻撃機の長所を兼ね備えている点」と指摘する。単に目標へ突っ込んで自爆するだけでなく、操縦しながら搭載したロケット弾でロシア軍の対空防御網を攻撃することも可能とされ、撃墜リスクを下げる運用がなされているという。
FP-1は最大120キロの弾頭を搭載でき、射程距離は最大1600キロに達するとされる。米国が供与してきた高性能ミサイルシステム「「ATACMS」などの長射程ミサイルは1発が億単位になる場合もあるとされる一方、FP-1やFP-2はそれと比べて開発・運用コストが大幅に低いとされ、量産による「数の攻勢」を成立させている点が特徴なのだ。
モスクワやクリミアの要衝に命中
「こうしたドローンは実戦でも戦果を上げているとされる。5月にはモスクワ市内に向けて100機超が投入される大規模攻撃が行われ、ロシアの防空網を突破して半導体工場や石油パイプラインの圧送施設に命中したと報じられた。6月にはFP-2が、クリミア半島とヘルソン州を結ぶチョンハル橋への攻撃にも実戦投入されたと言われています」(前出・外信部記者)
開発元である『ファイアポイント』の幹部は、ロシア領内へのウクライナ軍の長距離攻撃の半分以上が同社製品によって実施されているとも主張しているという。
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巡航ミサイル「フラミンゴ」も投入
また、同社はさらに大型の長距離巡航ミサイル「FP-5(フラミンゴ)」も実戦投入している。射程距離は最大3000キロ、弾頭重量は約1150キロとされ、米国製トマホークを上回る弾頭重量を持つとされる。ジェット推進で、ロケットブースターを使って発射台から離陸する仕組みだという。
同社は量産体制も強化しており、将来的には月産200発規模を目指していると伝わる。これが実現すれば、ウクライナ領内からロシアの主要都市を射程に収める打撃力がさらに広がる可能性がある。
安価な兵器が変える戦争の形
800万〜1000万円程度という、従来の軍事常識からすれば破格のドローンが、大国ロシアの首都や戦略拠点を脅かす――。戦争の勝敗を決めるのは必ずしも巨額の軍事予算や巨大な兵器だけではないことを、ウクライナの戦場は示しているのといえるだろう。
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