早見優『Newsにならない恋』
早見優『Newsにならない恋』

CHAGE作曲『Newsにならない恋』が映す“ロック少女・早見優”の素顔【スージー鈴木の週刊歌謡実話第39回】



アイドル路線から自ら舵を切った1980年代中盤

そして、そんな彼女の「普通人」感覚こそが、芸能界的なさまざまなトラップにハマらず、人気を保持している要因だと思うのです。

そんな「普通人・早見優」の魅力が活きたシングルとしてご紹介したいのが、40年前のこの曲。

80年代中盤、親友だったアン・ルイスの影響でロックに目覚めた早見優。「普通人」というか、’66年生まれの「普通のロック少女」として、アイドルっぽい『夏色のナンシー』(’83年)路線から、ロック路線へと自ら舵を切るのは自然、というか「普通」なことでした。

ボーカルにも、アン・ルイスのような力強さがみなぎり、’85年のロックチューン『PASSION』がヒット。そして翌年、私が一番好きな彼女のシングルにして、チャゲ作曲のごきげんなロックナンバー『Newsにならない恋』をリリースするのです。

同級生ながら、生まれも育ちもまったく違いますが、彼女と同じく、80年代中盤にロック、特にアン・ルイスや沢田研二、吉川晃司やら、渡辺プロダクション系の「歌謡ロック」に感化された「普通人」として、『Newsにならない恋』は、私の青春を彩るNewsとなりました。

そして今あらためて、この曲を聴いて、まだまだロックでいなければと、「普通人の同級生」に励まされるのです。

「週刊実話」7月16日号より

スージー鈴木/音楽評論家

1966(昭和41)年、大阪府東大阪市出身。『9の音粋』(BAYFM)月曜パーソナリティーを務めるほか、『桑田佳祐論』(新潮新書)、『大人のブルーハーツ』(廣済堂出版)、『沢田研二の音楽を聴く1980―1985』(講談社)など著書多数。